全世界のアウディディーラーが技術を競う「Audi Twin Cup」。その2016年日本代表を決める「ジャパンファイナル」が大阪で開催された。サービス部門1~3位のAudi山陰・吉村彰洋氏、熊本・大磧数敏氏、池袋・安岡章雄氏がチームを組み、世界大会へ向けてトレーニングを積む。
テクノロジー部門とサービス部門の2部(Twin)で構成されるアウディツインカップでは、実車に関する専門的な技術のほか、顧客感動(CD、カスタマーディライト)に結びつく「サービス」についても競い合う。
アウディのサービスアドバイザーは、クルマを売るセールスと、車体を整備するメカニックの中間に立つ人材。アウディのアフターサービスをつかさどるパートだ。
このサービスアドバイザーの“腕”を試すツインカップの課題は、「ロールプレイテスト」「車両チェックテスト」「筆記テスト」の3つ。ロールプレイでは、点検・整備で訪れたユーザーに対して、受け答え、マナーなどが試されるほか、製品知識だけでなく、ユーザーに対する態度や立ち振る舞いといった総合的な接遇能力が審査される。
メカニックの技術を競うテクノロジー部門で優勝したAudi宇都宮の高橋努氏、石田和行氏、酒井正実氏は、1位を獲得できたカギに「チームワーク」をあげていた。
アウディジャパンアフターセールス本部部長の伊藤茂雄氏は、「やはり世界大会で勝つためには、チームワークがいる。サービス部門は、1位から3位までの人材がひとチームになって世界に挑む。ここでも即戦力や状況に即座に対応できる個々の協調性やチームワークが求められる」と話していた。
「最近は、世界大会の設問のなかにも『アウディの工場の名前を書け』といった類の問題もある。整備やクルマの知識だけでなく、アウディブランドの器量も試されている」。
また、アウディジャパン代表取締役の齋藤徹氏は、メーカーとディーラーに直面する人材の課題について、「ディーラーの経営環境が安定しないとクルマは売れない。ディーラーの経営課題のひとつに人材があるが、これは業界全体の問題でもある。優秀な人材やメカニックを獲得するのがディーラーの課題であるし、メーカーも放っておくことはできない。メーカーがこの部分をきちんと手助けし、われわれがイニシアチブをとっていくことが大事」と語った。