絶滅危惧種? 360cc軽自動車、11年ぶりイベントに集結

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「360ミーティング」に集まった360ccの軽自動車たち
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北関東を代表する温泉地の一つ、伊香保の街に、11年ぶりに360cc軽自動車たちの排気音がこだました。2005年に一回だけ開催された「360ミーティング」が、ついに復活を果たしたのだ。

群馬・伊香保温泉のほど近くにあり、私設ミュージアムとしては日本一の集客数を誇ると言われる「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」は、現在でも年に数回「スプレンドーレ」の名を冠したクラシックカーイベントを開催しているが、中でも最も長い歴史と人気を誇る「スプレンドーレ榛名」は標高の高い榛名湖周辺を舞台とすることから、小さな360cc軽自動車には、会場まで到着するだけでも相当にハードルが高い。そこで、軽自動車だけのイベントを行いたいとする国産車ファンたちの熱いリクエストに応えるかたちで、再び開催されることになったという。

11年前と同じく、この日も会場となった「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」には、約60台に達する古き良き軽自動車たちが大集結。まさに巨大なオモチャ箱をのぞいているような賑やかさだった。参加車両たちは、レトロで可愛いデザインもさることながら、レッド、イエロー、ブルー、グリーンなどのヴィヴィッドなカラーリングが与えられていることから、まるで1/1スケールのミニカーがひしめいているように見えた。

一方、愛車とともに参加したオーナーたちに、若いエンスージアストの数がかなりの割合で見られたこと、そしてファッショナブルなことも特徴的に映った。ちょっと語弊のある物言いとなるかもしれないが、いわゆる国産旧車イベントとは一線を画した、お洒落な雰囲気がミーティング会場に横溢していたのである。

1976年1月をもって550ccの新規格にアップされるまで、永らく国民の足であり続けた360cc軽自動車は、今や一部の人気モデルを除いては「絶滅危惧種」と言われている。そして最後の360cc車が工場をラインオフして40年が経過した現在では、パーツの供給も非常に困難と言われており、その維持は決して楽ではないそうだ。でも、この日だけはそんな苦労だって自慢のタネ。当日に初めて知り合ったと思しき仲間たちと愛車を囲んで、軽自動車談義に花を咲かせる姿が会場のそこかしこに見られた。

昨今の欧米ではマイクロカーが世界的なブームとなり、イベントも大盛況。クラシックカーの国際マーケットにおいてもドイツのメッサーシュミットやBMWイセッタ。あるいはイタリアのフィアット・ヌォーヴァ500などが急速に再評価されている。

一方、我が国が世界に誇る軽自動車、中でも360cc時代のモデルは欧米の名車たちにも負けない評価を受け初めているという。日本の素晴らしい自動車文化をこれからも維持してゆくためにも、この類のイベントの継続を期待したいものである。

《武田 公実》

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