スマホアプリで操れる空気清浄機は花粉症ユーザーを救えるか

エンターテインメント 話題
Blueairのスマホアプリに対応した空気清浄機「Blueair Sense」
  • Blueairのスマホアプリに対応した空気清浄機「Blueair Sense」
  • 「Blueair Sense+」。iOS対応のアプリ「Blueair Friend」で操作
  • 本体天面にジェスチャー操作対応のセンサーを搭載。運転強度を調節できる
  • フロントパネルのインジケーターが動作状態を知らせる
  • 底面のカセットを引きだしてフィルターを交換
  • エアーモニター「Blueair Aware」
  • ペットボトルとのサイズ比較
  • フィルターを天面に搭載

 花粉症の方々にはつらい季節がやってきた。今年は昨年よりも若干花粉の飛散が少なめと言われているが、それでも万全の対策を施しておくに越したことはない。今回はスウェーデンの空気清浄機専業メーカーであるBlueair(ブルーエアー)から発売された、スマホアプリでコントロールできるスタイリッシュな空気洗浄機「Blueair Sense+」を紹介しよう。

 筆者もこの時期は長年、花粉症と闘ってきた。病院できちんとアレルギーの検査をして、自分がスギなどを中心とした春の植物が飛ばす花粉に影響を受けやすい体質であることを知ってから10年以上が経つ。筆者の周囲には明らかに花粉症なのに、「花粉に負けている」ことを認めることで心が折れてしまうほうが怖いからと、「病院に行かない」「薬を飲まない」あるいは「マスクもしない」という友人・知人も少なくない。早く病院に行って薬をもらってくれば楽になるのになぁ、と横目で見て思うのだが、何せ彼らも頑固だ。このタイプの人が仕事の同僚やパートナーなど身近にいると、面倒なのはこの時期に彼らの生産性が落ちることで、対策を立てている側の身に仕事が回り回って負担がのしかかってくるということだ。とは言え、仕事だからしっかり成果を上げねばならぬということで、ここは一つ思い切って職場などに空気清浄機を導入してみるのはいかがだろうか。皆が得をして、しかも仕事の効率がグングン上がるかもしれない。

 「Blueair Sense+」はスマホアプリでいろいろな操作ができたり、コンパニオンプロダクトである“エアーモニター”「Bluair Aware」を組み合わせることで、室内の空気の状態、汚れ具合がアプリの画面上で可視化できる空気清浄機である点が特徴だ。病院や薬には興味がないけれど、スマホアプリでなら使ってみたいという諸氏も多いはず。使い続けるうちに「空気の質」にも関心が向いて、花粉症などアレルギーを根治したくなってくる可能性もある。「Blueair Sense+」はどんな“スマート空気洗浄機”で、導入することにどんなメリットがあるのか、実機をハンドリングしながら探ってみたい。

■とにかくスマートな空気清浄機「Blueair Sense+」

 まずは空気洗浄機の本体である「Blueair Sense+」から概略を説明しよう。空気洗浄機といえば、エレクトロニクス製品のジャンル的には「白物家電」である。“男の家電”的な嗜好品の位置づけである薄型テレビやBDレコーダーなど、いわゆる「黒物家電」とは違って一般的な白物家電は見た目にも清潔感が漂っていて、本体には大きめボタンと文字が配置されていて操作がわかりやすい、でもデザインはいまいちという製品も少なくない。ところがこの「Blueair Sense+」は、どちらかと言えば黒物家電のテイストに近く、男でもその姿を見かけたらはっと立ち止まって見入ってしまうようなスタイリッシュで色気の漂うデザインだ。本体にはボタンらしきものが見当たらず、パッと見では空気洗浄機であることがわからないほどである。

 本体のケースにはスチール素材が使われていて、どことなくタワー型のPCを彷彿とさせるようなハードボイルドな雰囲気を漂わせている。今回メーカーからお借りしたモデルは「Warm Grey」の本体カラーだが、全部で6色のバリエーションが豊富に取り揃えられているという。オーソドックスなホワイトから、さすが北欧のメーカーらしいグリーンやブルー、レッドなど空気洗浄機の本体色としては今までに無かった画期的なカラーも用意する。

 本体から伸びる電源ケーブルをコンセントにつないで、電源ボタンをオンにしようと試みたところ、探しても見つからない。そう、「Blueair Sense+」は天面パネルにモーションセンサーを内蔵していて、パネルの上に手をかざして左右に振るジェスチャーで電源のオン・オフや運転速度の強弱が操作できるのだ。これは先代機「Blueair Sense」から引き継ぐフィーチャーだ。

 細かい本体設定はスマホアプリ「Blueair Friend」から行える。先行してiOSから対応するアプリをiPhoneなどに入れて、ホームネットワーク経由で空気洗浄機本体をWi-Fiにつなぐ。すると本体を稼働させたい時間のタイマー設定や運転速度、フロントパネルのLEDインジケーターの明るさ調整などがメニューから並べるようになる。設定完了後はホームネットワークの中だけでなく、外出先から室内の空気環境のモニタリングやコントロールも可能だ。

 1台の「Blueair Sense+」がカバーできる室内エリアの目安は8畳から11畳。同社が独自に開発した、目の大きさが違う3層のフィルターで空気清浄時の風量を維持する「3ステップHEPASilentフィルター」と、粒子イオン化技術の組み合わせで空気中の汚れとなる成分を高精度に取り除く「HEPASilentテクノロジー」が本機の肝になる部分だ。その性能は0.1マイクロメートル以上の微粒子を99.97%除去できるほどだという。

 なおフィルター交換はユーザーが自分で簡単にできるよう設計されている。本体の底面からカセットを引きだして、フィルターカートリッジを入れ替えるという手順だ。

■室内の空気を可視化する“エアーモニター”「Bluair Aware」

 「Blueair Aware」は空気清浄機本体とペアで使う、サイズが500mlのペットボトルぐらいのコンパクトな製品だ。こちらがどんな役割を担っているかといえば、室内の空気環境の変化を感知して、Wi-Fi経由でクラウドにデータを飛ばす観測モニターだ。空気中のPM2.5や二酸化炭素、「VOC(揮発性有機化合物)」に湿度などを記録して、スマホアプリ「Blueair Friend」で数値をディスプレイする。

 本体正面に搭載されているLEDは空気環境を光の色の変化などで知らせてくれる。「Blueair Sense+」と組み合わせれば「Blueair Aware」で計測した室内の空気の状態に合わせて空気洗浄機を自動コントロールできるようにもなるので操作の手間が要らない。

 なお1台の「Blueair Sense+」に登録できる端末の数には制限がなく、「Blueair Friend」アプリから設定したログインIDをシェアすれば職場の同僚、家族で空気洗浄機を共用することが可能だ。ただし同時にアクセスできるのは1台の端末に限られる。

 ちなみに「Blueair Sense+」と「Blueair Aware」の両方を買い揃えた場合の金額は7万円台後半になる。加湿機能を備えないストレートな空気清浄機としては、やはりハイエンドの部類に入る製品だと言える。最大11畳ぐらいの部屋サイズのオフィスに置くことを考えれば、皆で効果をシェアできるわけだから、まあ妥当な値付けではないだろうか。

■世界各都市の空気状態がリアルタイムに分かる

 今回は1週間ほどのテスト期間中、ずっと仕事部屋で「Blueair Sense+」を点けっぱなしにしてみた。外出から帰ってきて、原稿書きの作業などで長い時間部屋に閉じこもっていると、鼻や喉がイガイガする感覚が少しずつ和らいできて楽に過ごせる手応えがあった。「Blueair Sense+」を導入する以前に比べると、明らかに部屋の空気がきれいになったように思う。

 新製品になって加わったスマホアプリによる空気環境の「可視化」機能が思った以上に楽しめて役にも立った。「PM2.5」や「PM10(花粉にほこりやカビ、胞子など10マイクロメートル以下の小さな粒子状物質)」に二酸化炭素、オゾンなど、空気の状態をトータルで見張りながら、デジモノ好きな男性ユーザーも飽きずに使い続けることができそうなほど、アプリのレスポンスやグラフィクスも洗練されていた。室内の空気の状態は「きれい」「中程度」など、アプリの画面内に段階評価が出てくるので、空気清浄機の効果のほどもわかる。空気の状態を観察しつづけることで、結果として自分の健康状態にも自然と気持ちが向いてくる。

 アプリに表示される地図から、世界各都市の任意の場所を選んで、その都市の空気の状態をリアルタイムに確認できる機能も実用的だ。特に出張の多いビジネスマンには役立つのではないだろうか。Androidアプリは現在開発中だが、早めの完成を待ち望む声も大きいと思う。職場で使うビジネスマンのために、PCブラウザでのモニタリングもできたら面白い。

 空気のコンディションやカラダの健康管理については、これからは特に先手をうって解決策を講じていくことが、個人にも、そして企業にも求められる時代だ。この春から、まずは身近な花粉症対策でスタートしてみてはいかがだろうか。

協力:セールス・オンデマンド

【オトナのガジェット研究所】花粉症対策!スマホアプリで操作できる空気清浄機「Blueair Sense+」を徹底攻略

《山本 敦@RBB TODAY》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース