【フォード エクスプローラー タイタニアム 試乗】今が買い? フォード・ジャパン最後のニューモデル…中村孝仁

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フォード エクスプローラー タイタニアム
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フォード日本撤退のニュースが駆け巡って早2週間が過ぎた。実は2月第2週に開催が決まっていたニューモデルの試乗会がキャンセルされた。その試乗会が予定されていたモデルが、『エクスプローラー タイタニアム』だ。

エクスプローラーの最上位モデルとして君臨するこのクルマ。エンジンは3.5リットルツインターボV6、370ps、474Nmの性能を誇るエンジンを搭載する。本当に今更ながらだが、ここにニュースリリースの一文をそのまま転載すると、「エクスプローラーは、日本でも約25年の歴史を持ち、日本におけるフォードのビジネス戦略、ブランド戦略の中核をなす基幹車種であり、本年(2015年)10月に大幅改良を加え、10月~11月(2015年)の登録実績で前年比56%増の好調な販売を記録している」とある。

試乗会が中止となったので早速、本来なら試乗会で乗ったであろうタイタニアムを借り出してみた。ほぼ2週間近く乗った印象を記そうと思う。

外観については基本、他のモデルと大きな差異はなく、グリルデザインやホイールデザインが異なる以外はほぼ区別しにくい。一方の内装ではニルヴァーナレザー・シートと称するキルティング風ステッチを施した豪華なシートが装備されるほか、1列目にはマッサージ機能、2列目にはシートヒーターが装備される(もちろん1列目も)。というわけで、それほど大きく変わっている印象はないのだが、乗ってみるとやはりトップモデルに相応しいパフォーマンスを示してくれた。

今回新たにスマートキーレスエントリーとフォード・パワースタートと名付けられた、プッシュボタン式スタートシステムに改められ、キーをポケットに入れておけば、ドアハンドルを握るだけで開錠され、閉める時はドアハンドルに付く黒いボタンを押せば施錠できるようになりだいぶ便利になった。

フォード・パワースタートという大層な名前が付けられているが、要はプッシュボタンスタートだから、驚くにはあたらない。しかし、問題はここから。以前からV6エンジンの静粛性は大したものだったが、このツインターボではそれがさらに研ぎ澄まされた。残念ながらアイドリングストップがつかないから、停車中でもエンジンはかかったまま。しかし、余程静かな場所でないとエンジンの存在が気付かないほど。ましてや走り出して定常走行に入ると、全くと言ってよいほど影を潜める。

因みに今回のエンジン、排気量は3.5リットルだが、「リミテッド」や「XLT」に搭載される3.5リットルV6とは異なり、直噴。もっと言うと今年ルマンを目指すフォードGT用のV6ツインターボのベースエンジンだともいえるもの。決して新しいエンジンではなく、アメリカ市場ではエクスプローラー以外でもすでにいくつかのモデルに搭載されているエンジンである。かつて、アメリカでこのエンジンを搭載した『フレックス』というモデルに試乗した経験を持つが、そのパフォーマンス、侮り難く、これを搭載したモデルを導入して欲しいと、フォードマーケティングに直訴したことがあるが、ようやく入ったと思ったら、本体が消滅とは皮肉である。

2280kgという決して軽くない車両重量だが、走りは軽快そのもの。フルスロットルにすれば、「嘘でしょう?」というほどの加速を見せてくれる。リリースには書いていないし、今となっては調べようもないが、足回りも他の3.5リットル搭載車とは異なっている印象で、全体的には締まり感があって尚、決して硬すぎないうまい具合のチューニングとされている。

ついにナビもインダッシュに装備された。それにパドルシフトも付いた。お値段は635万円と600万円の大台を超えてしまったが、リミテッドと比較してその性能の良さを考えたら文句なしにこちらがお勧めである。果たして何台が日本に導入されたか不明だが、稀少車となることは間違いない。

本来の発売は3月5日から。GMが撤退を決めたオペルだって、今でもヤナセでサービスが受けられるそうだから、パーツの心配やサービスの心配をする必要は当分ない。もしかしたらフォード車は、今、買いかも知れない。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
 
《中村 孝仁》

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