ボッシュ、自動運転の北米担当者に聞く…普及には「教育と経験」が不可欠

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ボッシュの自動運転の公道テスト
  • ボッシュの自動運転の公道テスト
  • シャシーシステムコントロール事業部の北米担当事業部長、スコット・ウィンチップ氏
  • ボッシュプレスカンファレンス(CES16)
  • ボッシュブース(CES16)
2016年1月、ラスベガスで開かれたCES2016において、ドイツの大手自動車部品サプライヤーであるボッシュが出展。シャシーシステムコントロール事業部の北米担当事業部長、いわば北米においての自動運転開発のトップに話を聞くことができた。


◆サプライヤーとして自動運転を開発するボッシュ、その強みとは

アメリカで自動運転のテストを繰り返し行っているというボッシュ。事業部長のスコット・ウィンチップ氏はこれについて、アメリカは他の国とテスト環境が大きく異なっていると語った。「アメリカは50の州それぞれに州法がある。そして自動運転のテストは、禁止する州法がなければ基本的にどの州でも自由に行うことができる」と、比較的法規制が緩いアメリカならではのメリットを説明する。「もちろん、カリフォルニア州のように、認証を取らないとテストができない州もあるが、全体的にアメリカ国内でのテストに大きな問題はない」と、欧州などでは手続きに手間がかかる点と比べ、自動運転のテストがしやすい環境であることを強調した。

自動車メーカーではなく、自動車部品サプライヤーとして自動運転技術を開発するボッシュ。ボッシュが持つ「エンド・トゥ・エンド(最初から最後まで)・ソリューション」が、他のサプライヤーには真似できない強みだという。

「ブレーキからハンドリング、センサー、ソフトウェア、そしてアクチュエーター。ボッシュはクルマの操作を最初から最後までカバーすることができる。だからカーメーカーが自動運転の技術を必要とする際にも、パートナーとしてサポートできると同時に、各カーメーカーがどのようなことをやっているのか知ることもできる」と、他社への協力で、ウィンウィンの関係を維持していると語った。


◆自動運転普及のカギは「教育と経験」

ボッシュは、2020年には高速道路上での自動運転が可能になると見ている。しかし、自動運転が消費者に広く受け入れられるためには、課題が残っているという。「今のクルマでも、所有者は搭載されているテクノロジーをすべて理解しているだろうか。例えば、先日同僚がスマートウォッチを購入し、使い方を理解するのに3、4時間かかったと言っていた」と、最新テクノロジーの使い方を学ぶのに時間がかかるのは避けられないというウィンチップ氏。「クルマを買った人が、そんなに何時間もかけて操作を理解したいとは思わないだろう。だから私たちは消費者に対し、”教育”と”経験”が必要だと思っている」。

ウィンチップ氏の言う教育とは、自動運転がどのようなもので、どのような操作が必要になるのか教えることだという。「例えば、カーメーカーが望むのであれば、ボッシュがカーディーラーに赴き、販売員に対して自動運転についての講習を行う。あとは販売員が実際購入を考えている人に詳しく教えることで、自動運転のことを理解してもらうことができると考えている」と、ただクルマを売るだけではなく、売る際に購入者に自動運転のレクチャーをすることで、自動運転普及に繋がると述べた。

また、ボッシュはNCAP(新車アセスメントプログラム、自動車の安全性を測るテスト)の改正にも動いているという。「今のNCAPは事故が起きた時にどれぐらいの被害が出るかを測定し、安全基準を作っている。これを、どれぐらい事故に遭いにくいか、といった視点でも評価ができるようにしていきたい。今現在、NHTSA(アメリカ国家道路交通安全局)と協議中だ」と、自動運転の事故に遭わない安全性を消費者に”教育"することで、普及を図りたいとした。

経験については、「例えば、アダプティブクルーズコントロール(前を走るクルマと一定の車間を取りながら自動走行するシステム)やレーンキープアシスト(車線維持システム)は、実際に使用した人はその使い方と素晴らしさを理解できる」と、実際に使ってみないとその有用性は理解できないと主張。「私の経験によれば、アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピング、そして緊急自動ブレーキなどは、実際に経験すると『すごい!もしこの機能がなかったらどうなってたんだ!』となる。このような経験が、自動運転の受け入れにつながる」と、現行の自動運転技術が普及することで、より高度な自動運転も広く受け入れられるだろうという見解を示した。
《関 航介》

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