【アウディ A4 海外試乗】静けさは A6 に匹敵、新プラットフォームが活きている…大谷達也

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【アウディ A4 海外試乗】静けさは A6 に匹敵、新プラットフォームが活きている…大谷達也
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フルモデルチェンジを受けて4世代目(前身のアウディ80から数えると8世代目)に生まれ変わったアウディ『A4』の国際試乗会がイタリア・ベニス近郊で催された。

知的でクリーンなスタイリング、スポーティな走り、先進技術の積極的な採用などで日本でも徐々に人気が高まっているアウディだが、自動車業界ではていねいな作り込みでも定評がある。その端的な例といえるのが、世の中の自動車の大半に装着されているルーフ両サイドのプラスチック製カバーがアウディの各モデルには見当たらない点。

幅2cmほどのこのカバーがなぜ取り付けられているかというと、自動車の生産ではボディサイドとルーフを溶接する工程が必ずといっていいくらい必要になるのだが、作業が終わると溶接部分がデコボコなまま残ってしまうため、これを隠す目的で前述のカバーが使われるのだ。しかし、アウディは溶接部に特別な素材を用いることで表面を滑らかに仕上げる独自の生産方法を確立し、数多くのモデルに採用している。

もちろん、アウディの作り込みのよさは、このルーフ部分だけに表れているわけではない。ボディパネル間のすき間(いわゆるチリ)が人間の目で見てぴったり合っているようにするため、パーツや組み立ての精度を0.1mm単位で管理したり、トランクリッドの裏側のように普通だったら塗装を手抜きしてしまうところまで他の部分と同じていねいに作業を行ったりと、その例は枚挙に暇がないほど。こうした小さな積み重ねがあればこそ、アウディの各モデルは得も言われぬ緻密さと高級感を漂わせているのである。

そうした特徴は新型A4にもしっかりと受け継がれている。シンプルかつクリーンなデザインは先代とあまり変わってないようにも思えるが、間近で見ればエクステリアの精度感は一段と向上しているほか、細部に立体的な造形が施されていて新鮮な印象を与える。インテリアは水平基調のすっきりとしたデザインに生まれ変わったほか、3代目『TT』で初お目見えしたバーチャルコックピット(メーターパネル全体を液晶ディスプレイに置き換え、必要に応じて様々な情報を表示できるシステム)を採用した関係で従来型とは大きくイメージが異なるものの、それでも精度の高さ、素材感のよさは一目瞭然。その意味では新型A4もアウディの正統な後継者といって間違いないだろう。

実際に試乗してまず印象に残るのは、静粛性の高さと滑らかな乗り心地。特にキャビンの静けさはひとクラス上の『A6』に匹敵するほど。また、サスペンションはドイツ車らしくしっかりとした設定で、高速道路を走ってもボディが無駄な動きを見せることはない。おまけに市街地走行では路面のゴツゴツした印象を伝えることなく、実に快適。新型A4ではリアサスペンションを従来のトラペゾイダル式から5リンク式に改め、これにあわせてプラットフォームを一新したというが、その効果は短時間試乗しただけでもすぐに実感することができた。

いずれも直噴ターボとなるエンジンは、本国ではガソリンが1.4リットルから2.0リットルまでの3タイプ、ディーゼルは2.0リットルから3.0リットルまでの4タイプが用意される。このうち注目株は最高出力190psを生み出すガソリンエンジンの2.0TFSI。燃焼効率を高めるためにミラーサイクルを採用するとともに、アウディらしいダイナミックなパフォーマンスを実現する目的で高効率なターボチャージャーを装着することで省燃費と走りのよさを両立したという。しかも、エンジンの回り方が実にスムーズかつノイズも小さいので、新型A4のキャラクターにぴったりとマッチしていると思われた。

最新の電子デバイスも充実している。アウディは2017年にデビューする次期型『A8』でNHTSA(米国国家道路交通安全局)のいわゆるレベル3に相当する自動運転を実現すると見られているが、これに向けた準備の意味合いも含まれているのか、新型A4にも先進的なドライバーアシスタントが数多く装備されていた。

そのなかには、アダプティブクルーズコントロールの作動中は高速道路のランプやランナバウトで自動的に減速する機能を盛り込んだプリディクティブ・エフィシエンシィーアシスタントも含まれているのだが、これに必要な地図情報が供給できないためか日本市場への導入予定は残念ながらなし。その代わりといっては何だが、85km/h以下で作動する自動ブレーキやトラフィックジャムアシスト機能付アダプティブクルーズコントロールなどが用意されるという。

新型A4の日本導入は2016年前半の予定。発売当初はセダンのみだが、追ってワゴンボディのアヴァントも登場するというから、こちらも楽しみだ。


大谷達也|自動車ライター
元電気系エンジニアという経歴を持つせいか、最近は次世代エコカーとスーパースポーツカーという両極端なクルマを取材す ることが多い。いっぽうで「正確な知識に基づき、難しい話を平易な言葉で説明する」が執筆活動のテーマでもある。以前はCAR GRAPHIC編集部に20年間勤務し、副編集長を務めた。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本モータースポーツ記者会会長。
《大谷達也》

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