【スマート フォーフォー 試乗】フォーツー ほどの個性は感じられない…中村孝仁

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独自の立ち位置を持つスマート『フォーツー』に対し、先代もそうだったように何かとプラットフォームを共有しないと成り立たない『フォーフォー』。それが宿命であり、個性や独自性を感じさせない点だろう。

先代モデルから話をすると、独自の強固なトリディオンセルというボディ構造こそ謳ってはいたものの、それはフォーツーのものと明らかに異なっていて、基本プラットフォームは三菱『コルト』と共有していた。では今回はというと、やはりルノー『トゥインゴ』と共有である。

ただし、今回大きく異なるのはフォーツー同様、リアエンジン(厳密にはミッドシップ)レイアウトを採用している点。そしてフォーツーと全く同じパワートレーンを採用していることである。では単純にフォーツーを4枚のサイドドアを持たせるに足る寸法に引き伸ばした車かというと、そうでもない。例えばテールゲートは通常の上ヒンジで開く一枚ものだし、リアシートはちゃんと分割可倒だから、実用性という点では圧倒的にこちらが自動車らしさを持っている。

トリッキーなほどの回転半径の小ささを持つフォーツーより、さすがに回転半径は大きくなるが、それでも4.1mは立派である。その源は元々コンパクトなボディであるということに加え、フォーツー譲りの超が付くほど短い前後のオーバーハングによる。リアシート背後にエンジンを押し込んでしまったおかげでフロントシートを前に追いやり、意外なほど広い室内空間を作り出し、全長僅か3495mmながら、なかなか広い室内空間を作り出している。(日本の軽には全然勝てないけれど)

車重は予想外に軽い970kg。つまりフォーツーの僅か30kg増しということだ。これらの数値は日本市場用のものではないから、日本市場導入時は異なった数値になる可能性があるが、フォーツーとフォーフォーの重量差は大したことがないと言うことがわかって頂けると思う。

ならば走りもフォーツー同様にゴーカートフィーリングを持っているかというと、これがそうでもない。少なくともエンジン、トランスミッションは全く同じで、車重が30kgしか違わないのだから、同じような走りだろうというのは大きな間違いで、ホイールベースの長い分、シャープな切れ味のステアフィールは完全に消え失せ、まあ平均的なAセグメントのコンパクトハッチバック程度の走りでしかないのは、少し期待外れであった。先にフォーフォーに乗っていれば印象も変わったのかもしれない。

僅か30kgの違いかもしれないが、1リットル71ps、91Nmのパフォーマンスでは大きな違いとなって表れるのか、加速感も少しもっさりとした印象である。そうはいっても、ボトムエンドのサイズ感と使い勝手の良い実用性を兼ね備え、ほぼ高級軽自動車と肩を並べる価格帯で、メルセデスディーラーで買えるクルマとなると、まあ、人気が出ても不思議ではないが、やはり冒頭に述べたようにフォーツーほどのインパクトも独自性もこのクルマには感じられなかった。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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