スバルテクニカインターナショナル(STI)は、東京オートサロンの会場で2016年のモータースポーツ活動の概要を発表した。「SUPER GTシリーズ」、「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」ともに総監督、ドライバーともに昨年メンバーを継続起用する。
SUPER GTの参戦車両は2015年仕様車をベースとしたもので、フロントのタイヤサイズをこれまでの300/680R18から、330/710R18に変更。タイヤ径を拡大することでコーナリング性能とブレーキ能力を強化させる。総監督はSTIモータースポーツ統括部プロジェクト推進室の辰巳英治氏、ドライバーは井口卓人と山内英輝を継続して起用する。
ニュルブルクリンク24時間耐久レースはSP3Tクラスで2年連続4度目の優勝を狙う。2016年仕様の車両は車体を軽量化するとともに、コーナリング速度を向上。新たにファルケン製のタイヤを採用した。こちらも2015年と同じチーム体制となり、総監督は辰巳英治氏、ドライバーは山内英輝、マルセル・ラッセー、カルロ・ヴァン・ダム、ティム・シュリックの4人が継続起用される。
辰巳総監督は「昨年のSUPER GTでは1勝もできず、クビ覚悟だった」と告白。昨年のマシンは空気抵抗を重視して小さなタイヤ径を採用したものの、これが逆効果になってしまったという。このため今年のマシンはタイヤ径を大きくし、フェンダー部分のパーツを再設計。昨年の最終戦後にテストを行い、その効果を確認したとする。
ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、STIが参戦しているSP3Tクラスのレギュレーションが厳しくなり、その対策を強いられることになった。ターボのリストリクター径が1mm小さくなってパワーダウンが確実になり、タイヤも市販品を使用しなくてはならないが、辰巳総監督は「速くなることはないだろうが、タイムが落ちるということは考えていない。総合優勝を目指し、来年もレギュレーションを厳しくされるぐらいの気持ちでいきたい」と自信を見せた。