【トヨタ キジャンイノーバ 海外試乗】新興国での中核となるべく、次世代を見据えたクルマ造りを実感…会田肇 | レスポンス(Response.jp)

【トヨタ キジャンイノーバ 海外試乗】新興国での中核となるべく、次世代を見据えたクルマ造りを実感…会田肇

試乗記 輸入車

洗練度を高めて登場した新型「キジャンイノーバ」
  • 洗練度を高めて登場した新型「キジャンイノーバ」
  • コシのある操舵感が心地良い感触を伝えてきた
  • トヨタがアジアで展開する中で統一感のあるデザインとなった運転席周り
  • シート地にタン色を選択するとかなり豪華な雰囲気になる
  • 試乗車に搭載されていた2.0Lガソリンエンジン・1TR-FE型
  • ベンチ型のセカンドシートも選べる
  • 試乗車はセカンドシートがセパレート型だった
  • セカンドシートには折り畳み式のトレイも用意される
東南アジアなどを中心にMPVとして高い人気を保っているのが『キジャンイノーバ』だ。元々は多目的車として登場した『キジャン』から2004年にバトンタッチしたモデルだが、その新型車が2015年11月に登場。生産地であるインドネシアで試乗する機会を得た。

試乗したのは、新たに設定された最上級グレード「Q」で、パワートレーンは2.0リットルガソリンエンジンと6速ATモデルの組み合わせ。最大出力は137hp、最大トルクは190Nmだ。他に最新の2.4リットルディーゼルエンジン・2GD-FTVも選べる。こちらは、最大出力149hp、最大トルク359Nmを発揮する。ちなみに試乗車である「Q」ガソリン車のインドネシア価格は4億2215ルピア(日本円換算:約367万円)となり、キジャンイノーバ史上、最も高価な価格帯になるという。まさに高級車の部類に入るわけだが、それだけに装備の充実ぶりには従来車を超えるものがあった。

シートはファブリックをベースとした豪華な仕様で、ダッシュボードには質感の高い木目調パネルを施し、天井を見上げればLED式のアンビエントライトがほのかに光る。エンジンはプッシュ式ボタンでスタートでき、ダッシュボード内にはWi-Fi対応のディスプレイオーディオを装備。安全装備は両サイドエアバッグはもちろん、インドネシアではまだ一般化していないニー&カーテンシールドエアバッグ、3列目には3点式シートベルト、VSCまで備わる。ただ、ダッシュボードなどの質感はそれほど高くない。見た目重視の造り込みという感じはした。

リアシートの居住性は、セカンドシートのセパレート化によって大幅に向上している。前席背後には折り畳み式テーブルも備え、液晶ディスプレイ付きのオートエアコンまで備わる。いずれも日本のミニバンでは当たり前の装備ではあるが、これらは従来車ではなかったものだ。日本から輸入される『アルファード』に根強い人気が集まる中で、関税がかからない現地生産車でそのニーズに応えたようと企画されたのは容易に推察できる。

驚くべきは、2億8200万ルピア(同:約250万円)のベーシックモデルも用意されるものの、この最上位グレードがもっともよく売れているということ。そのため、下位グレードの「G」「V」は2015年内に納車できるが、「Q」は3か月待ちになるという(取材時点)。インドネシアでも富裕層は着実に増えていることが伺える。

試乗は限られたエリア内で行われたが、それでも前モデルからの進化ぶりは操舵感にハッキリと現れていた。低速で曲がってもコシのあるしっかりとした操舵感が伝わり、従来車との比較乗車でもその差は歴然としていた。従来車は常に妙な軽さがあり、どこが中心なのかが掴みにくい。新型ではその感覚から大幅にグレードアップしていたのだ。路面からのショックも和らげられ、不快な感じはほとんどない。セカンドシートに座った人の感想でも同様な意見を聞くことができた。まさにMPVとしての進化は明らかだったと言えよう。

2.0リットルガソリンエンジンは、とくに力強いという感じはなかったが、6速ATであることからスリップ感はあまり感じず、スムーズに速度を上げる。ただ、定員(試乗車は7人)乗車となればその動きは決して十分とは言えないかもしれない。その面で、今回は試乗できなかったが、新エンジンの2.4リットルディーゼルエンジン・2GD-FTVの圧倒的なトルク感は、パワフルな走りとして期待が持てそうだ。新興国での中核となるべく、走りや居住性などすべての面でグレード感を高めたのは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア/居住性 ★★★★
パワーソース ★★★
フットワーク ★★★
おすすめ度 ★★★

会田肇|AJAJ会員
1956年・茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。大学卒業後、自動車専門誌の編集部に所属し、1986年よりフリーランスとして独立。主としてカーナビゲーションやITS分野で執筆活動を展開し、それに伴い新型車の試乗もこなす。 
《会田肇》

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