名は体を表す。顔はクルマの性格を現す。しゅんっと精悍な顔になった『フォーカス』である。これで、よりスポーツ感を増幅させたことがうかがえる。エンジンはダウンサイジングの1.5リットルターボ。このフロントマスクとエコブーストエンジンといえば、ひとまわり小さい『フィエスタ』と同じ組み合わせである。フィエスタの、のけぞるばかりにキレのいい走りをフォーカスでも味わえるというわけか。しかし、ボディサイズが大きくなると、小粒でぴりり! とばかりは言っていられない現実もある。ユーザー層は変わり、期待する部分も異なるからだ。サイズアップ=ファミリーユース度が強くなる分、乗り心地に優しさも求めたくなるというものだ。果たして、そのツボはしっかり押さえられている。ハンドルを切ると、ぱきっとしたキレのよさはありながらも、やりすぎていない、いい手加減がうかがえる。気持ちいいけれど肩の力が抜けていて、ロングドライブでも気を張り詰めずにこなせる。1.5リットルターボエンジンは、1600回転で最大トルクが出るため、どんなアクセルの踏み方をしても、いつでも加速に対応してくれる。そして、今回は懸案事項だったと私が勝手に思っている、アイドリングストップも加わった。さらに、この「Sports+」には、パーキングアシスト機能まで標準装備ときたもんだ。縦列駐車、並列駐車ともにトライしてみると、ちょっとクセのある止め方をするものの(クセがあるのは私の方か)、使いこなしていくと、かなり楽ができそうである。キレのよさと、操作の楽しさを数段引上げつつも、家族思いな一面が見えた。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。