【スマート フォーツー 試乗】“現実的”になった新型、キュートで未来的なキャラはどこへ…岩貞るみこ

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おっさん臭い。キュートでかわいくて、未来的だった『スマート』はどこへ行ったのか。すっかり影を潜め、やけに現実的な顔つきになった新型である。

すでにマイクロコンパクトカー・スマート降臨の衝撃は当たり前のものとなり、世の中と本気で共生する時がきたということか。本気度が見えるのは特に二点ある。

ひとつは横幅が広がり車内が広くなったこと。オトナが横並びしても、おじさん同士で乗っても、肩寄せ合って過ごす必要がなくなったことだ。もうひとつは、懸案だったシングルクラッチがダブルになったこと。シングルクラッチは、ATやCVTに慣れ親しんだ日本人には絶対に無理! ギアが上がるたびに息継ぎするように減速するのはどうしても耐えられないのである。

MT主流の欧州とはこの点が圧倒的に違う。けれど今回、ミッションがダブルクラッチのDCTになったことで、加速時のスムーズさが劇的にアップ! これなら「ふつー」に乗れる。スマートの共生作戦は成功といえる。

2人乗りで全長が短く、しかも後ろにエンジンを乗せて後ろのタイヤが駆動するRRの走りはかなり特徴的だ。まさに後ろのタイヤでぐいぐいと押される感じ。前タイヤは後ろより細いためハンドルは軽くひょいひょいときれる。全長が短いのにこの軽さ。

でも、後ろがどっしりと構えてエンジンパワーを伝えているため不安な感覚は起こらない。いや、むしろ楽しさが込み上げる乗り心地である。コンパクトでとりまわしがしやすいのに加えて、最小回転半径が3.3m。Uターンはもちろん、駐車場のような狭いスペースでもくるくると行きたい方向に行けて、ストレスがまったくない。

ストレスがあるとすれば、アイドリングストップしたときの再スタートが、いまひとつ遅いということか。街乗りクルマとしての期待値が高いだけに、再スタートまでの反応が自分の気持ちに追いつかず、思わず「うっ」と、うなってしまう。小さくて走りやすいからといって、調子に乗るなよとスマートが警告してくれているのかもしれないけれど。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★


岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。
《岩貞るみこ》

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