【スーパーフォーミュラ 最終戦】王座争う4人、予選前に会見…トップの石浦「いつも通りやれるかが勝負」

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右から中嶋一貴、石浦宏明、ロッテラー、通訳を挟んでオリベイラ。
  • 右から中嶋一貴、石浦宏明、ロッテラー、通訳を挟んでオリベイラ。
  • 現在ランク首位、#38 石浦宏明。
  • 現在ランク2位の#1 中嶋一貴。
  • 金曜会見に王者候補4人が集結。
  • 笑いを誘うシーンも多く、まだまだ和やかムードの今季4強。
  • このトロフィーの行方が、明日~明後日で決まる。
  • 準備が進む鈴鹿のピット(#19 オリベイラのマシン)。
  • #16 山本尚貴らホンダ勢の存在もタイトル争いのカギを握るか。

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦の予選前日である6日、今季ドライバーズチャンピオンの座を争う4選手が決戦地・鈴鹿サーキットで一堂に会し、記者会見を行なった。和やかな話のなかにも、それぞれが決意を滲ませ、決戦ムードが高まってきている。

SFでは通常、話題の選手やチーム関係者を招き、予選日にサタデーミーティングという会見を実施しているが、この最終戦ではフライデーミーティングとして、今季王者候補4人を集めるかたちとなった。すでにチーム部門タイトルはPETRONAS TEAM TOM’Sが3年連続4度目の獲得を決めているが、ドライバーズタイトル獲得の権利は以下の4人に残っている。

45点/石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING)
39点/中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S)
31点/A.ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S)
31点/J-P.デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL)
※4選手ともエンジンはトヨタ、タイヤは全車ブリヂストン。

最終戦は2レース制。最終戦ボーナスもあるため、最大でドライバーズポイント「18」が獲得可能となっている。ポールポジションに各1点、決勝レースの各1~8位に8/4/3/2.5/2/1.5/1/0.5点。予選は3段階ノックアウト方式で、第1レースのグリッドはQ1の結果で決まり(Q1の1位に1点)、Q3まで経た総合結果が第2レースのグリッドになる(Q3の1位に1点)。

現在首位の石浦は、初王座を目指す。「開幕した頃はシリーズリーダーで最終戦を迎えられるとは思っていませんでしたが、このままいい流れで、チャンピオンを獲って終わりたいと思います」。2番手の一貴とは6点差あるものの「(相手にも自力王座の可能性があるので)それほど差があるとは思っていません。ここで前に出た方がチャンピオン、ということだと思いますので、シンプルに優勝を狙っていきたいですね」と持ち前の冷静さを披露してもいる。

さらに石浦は「緊張がないわけではないですが、いろんなメディアで言われているほどではないですね。もともと(最大18点獲れる)最終戦勝負だと思っていましたし、いつも通りやれればいけるとも思います」と語り、その「いつも通りやれるかが勝負(のカギ)ですね」とも。平常心と自然体を心がけ、自力で勝っての逃げ切りを狙う。

6点差で追う一貴は、今回2連勝すれば石浦の結果に関係なく自力逆転が可能。「いいシーズンを過ごせていると思います。例年通りですけど、この最終戦鈴鹿を獲ればチャンピオンに近づく、ということなので頑張りたいですね」。一貴逆転戴冠なら2年連続、ここ4年で3度目の王座獲得となり、一時代を築くことにも。

ロッテラーとオリベイラは首位から14点差と厳しい位置だ。予選ダブルポールの場合で決勝は優勝+2位が、ポールをひとつでも逃せば決勝2連勝が王座の最低条件で、いずれにしても他力本願という形勢。ただ、もちろんあきらめてはいない。

ロッテラー:「今年は開幕戦のここ(鈴鹿)で勝ち、いいスタートを切れた。ただ、中盤戦は多少のミスもあったりして、もうひとつうまくいかなかったね。でも、前戦のSUGOでは素晴らしいレースウイークを過ごし、勝つことができた。その流れを今回も維持し、とてもタフな状況だが、あきらめずに全力で戦う」

オリベイラ:「今年は特に予選で充分な速さを発揮できなかったレースもあり、チャンピオンシップに関して厳しい状態にあるのは確かだ。でも、とにかく自分たちのベストを尽くして戦う」

ロッテラー逆転なら4年ぶり、オリベイラ逆転なら5年ぶり、それぞれ2度目のタイトル獲得となる。

会見ではロッテラーを中心に、首位の石浦にプレッシャーをかける“口撃”が笑いを交えつつ展開されるなど、まだこの日は和やかムードだった4強。とはいえ、戦いに向けての気持ちの高まりも感じさせる会見だった。

なお、チャンピオン争い該当選手以外で警戒すべき存在としては、前戦2~3位と上げ潮ムードのホンダ勢、山本尚貴(#16 TEAM 無限)と野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の名が一様に挙がっている。特に山本に関しては「昨年の最終戦や今年の開幕戦でも彼の鈴鹿での速さは目立っていたし、セクター1が速い」(ロッテラー談)といった高評価が相次いだ。今季初優勝を目指すホンダ勢の存在も王座争いのカギを握ってくるかもしれない。

2レース制のため決勝レース距離がいつもほど長くはない最終戦(20周と28周、ともに日曜開催)。通常の1レース制大会以上に予選が極めて重要になってくるのも特徴である。大注目の予選は明日(7日)の午後1時30分開始予定だ。

《遠藤俊幸》

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