11月4日、第44回東京モーターショーの会場内では、「国際学生EV超小型モビリティデザインコンテスト2015」の表彰式が行われた。このコンテストは、電気自動車普及協会が主催し、学生による超小型モビリティのアイデアを募集するもの。
表彰式に呼ばれたのは、千葉大学のPDL B4、専門学校HAL大阪のTakayuki Hayashi、京都工芸繊維大学のNasawopolus、武蔵野美術大学のMID、岡山県立大学のOPU、そして首都大学東京のGYBの計6チーム。最優秀賞を受賞したのは京都工芸繊維大学で、E-Mobilisという、家具のようにふるまうモビリティによって実現される新しいライフスタイルの提案が大きく評価された。
最優秀賞は逃したものの、優秀賞を受賞した他5チームのアイデアも個性的だ。
千葉大学のチームPDL B4は、「物流」と「買い物」という2つをキーワードに、超小型モビリティ「PACK」を提案。トラックよりも小回りが利き、ドローンよりも積載量が多いメリットを生かし、大型倉庫から自動で配送を行う。実際にものを見て買い物したいという人には、このPACKに乗り込んで自動運転で巨大倉庫へ。ここではPACKに乗ったまま商品を見て、買い物が出来るという。
専門学校HAL大阪のチームTakayuki Hayashiは、クルマとしてもバイクとしても乗ることが出来る新しい乗り物「LEAN」を、カーシェアリングと交えて提案。スマートフォンで予約したLEANは自動運転で迎えにきて、運転する際には中に入ってクルマのように運転するか、またがってバイクのように運転するかを選べるという。
武蔵野美術大学のチームMIDは、サイクリングが普及した将来、ロードバイク利用者を目的地まで自転車とともに自動で輸送するための超小型モビリティ「BTM」を発表。真ん中がへこんだ楕円形のボードのような形になっており、駅前などでレンタルする。広げるとロードバイクと人ひとりが入れるスペースができるので、小型のクルマにして移動、サイクリングを始めたい地点で乗り捨てることができるとしている。
岡山県立大学のチームOPUは、過疎化の進行する離島に若者を呼び戻すためのインフラ整備の一環として超小型モビリティ「INSULA TESTUDO」を提案。卵型の車体に4本の足(フレキシブルアーム&インホイールモーター)がついており、充電には島内の自然エネルギーで発電された電力を使用する。島内の狭い道路でも通行しやすくするとともに、タクシー、トラック、救急車、消防車など、様々な用途に使用できるよう、拡張性を持たせるとしている。
首都大学東京のチームGYBは、人々の繋がりをテーマにした未来型EV「ENECT」を提案。これはEVの欠点である航続距離の問題を「他の人とシェアする」ことで解決しようというアイデアで、「E-co」という自立飛行型充電器を使用する。ENECTは電池残量が少なくなると、窓部分に電池残量低下の表示される。これを見た別のENECTはE-coを射出し、電気を分けてあげることができるという。近くに他のENECTがいない場合、タワー型発電機のE-co StationまでE-coが飛んでいき、充電して戻ってくるという。
斬新で未来感の溢れる各チームの作品は、東京モーターショー開催期間中、”SMART MOBILITY CITY 2015”(東京ビッグサイト西4ホール)のステーションコア内でも常設展示を行っている。