ユニチカは、リチウムイオン電池(LiB)の熱暴走対策に有効な耐熱性保護膜を、簡便に形成できる技術を開発したと発表した。
ワニスを電極上に塗工し、熱処理するだけのプロセスで、数百ナノメーター径の微細孔を持つポリイミドのナノ多孔膜を、積層一体化することが可能。この技術は、燃料電池の電解質担持膜や高周波デバイス基板の低誘電率膜等の幅広い用途に適用することができるとしている。
LiB発火などの原因となる熱暴走を防ぐ方策として、耐熱性のセパレータを用いる方法が開発されているが、より安全性を高めるための技術開発が求められている。
同社では、電極そのものに200度以上の耐熱性を持つポリイミドのナノ多孔膜を形成させる方法に着目、今回の技術を開発した。
用途については、岩手大学との共同開発にも取り組んでおり、詳細は、11月13日に名古屋市で開催される「第56回電池討論会」で発表する。
今回開発したポリイミドワニスに加え、多孔フィルムとしての展開も進める予定。