【ボルボ V60 クロスカントリー 試乗】意外なハンドリングマシンに仕上がった足回り…中村孝仁

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ボルボ V60 クロスカントリー T5 AWD
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『V40クロスカントリー』に続き、ボルボは『V60』にも『V60クロスカントリー』を設定した。XCで始まるモデルに対し、クロスカントリーと名付けられたモデルは、ワゴンをベースにして車高を上げたモデルと分けている。

『V40』の時もデビュー時は直列5気筒ターボが搭載され、その後直4ターボエンジンに載せ換えられた。V60もとりあえずAWDには直列5気筒ターボが搭載されている。ただし、V40の時の2リットルとは異なり、こちらは2.5リットル。そのルーツは『V70』に遡る古いエンジンだが、音以外に当時の面影はほとんどないほどに改良が加えられたものだ。余談ながら、FWD仕様もあり、そちらには2リットルターボディーゼルのD4が搭載されている。

さて、何で今更5気筒?と思う読者もいるだろう。まあ、社内事情とでも言っておこう。いずれは直4のドライブeユニットに置き換えられると思われるので、暫定的な措置である。しかし、燃費の問題を別にすればこの5気筒、今更ながらよくできたエンジンであることを実感できる。まず、4気筒よりも間違いなくスムーズである。それに音が良い。今時音を気にするドライバーも少なくなったかもしれないが、加速時にその音に酔いしれることの出来るクルマなど、極めて限られた存在になったから、たとえ古いエンジンであろうと貴重なものである。

次にトルクの出し具合が素晴らしく良い。ディーゼルの強烈なトルクには勝てないが、それでも36.7kgm/1800~4200rpmとディーゼルよりも広範囲で最大トルクを発揮する。だから、加速して行ってもその引っ張り具合はディーゼルより上。全域を使おうと思ったらこちらに分がある。それにD4の8速に対してこちらはやはり古いからか、6速ATと組み合わされるので、うまい具合に引っ張ってくれるから運転する楽しさという点から言えば、確実にこちらが上である。

そもそもクロスカントリーはV60の車高を引き上げて地上高を確保したモデルなわけだが、それほど単純に作られてはおらず、フロントサスペンションに『XC70』用コントロールアーム、リアサスペンションには『XC60』用のサブフレームを使うなど強化が図られているうえ、フロントロアクロスメンバーを追加して、いわゆる衝突時のコンパチビリティーにも対処されているのだ。

地上高は200mm、サスペンションもちゃんとそれに合わせてストロークが伸びている。だから、ノーマルのV60に比べて明確に乗り心地が良い。当然着座位置も高く、ロール剛性は落ちているはずだが、それを感じる挙動はほとんどないし、ハンドリングを楽しむレベルにあるから運動性能は十分に確保されている。因みにステアリングはFWDおよびノーマルV60の電動に対し、このクルマだけ電動油圧式が使われている。違いは判らなかった。

AWDのシステム自体は、ハルデックスのオンデマンドシステムを使っているから他のボルボと全く同じ。 ドライのターマック路面ではその恩恵を受けることはまずない。それにFWDと比較してフリクションがあるかといえばそれもないので、重くなっている分燃費的に損をしているかもしれないが、ネガ要素は全くない。

外観は一目で車高が上がっているのでそれと分かるが、それ以外でもグリルがノーマルV60と異なりハニカムデザインになっていたり、専用スキッドプレートが付くなど随所に異なる点がある。 仮想敵はスバル『アウトバック』、アウディ『A4オールロードクワトロ』などだが、スバルは価格差があるし、A4はモデルチェンジされてニューモデルを待つ状態だから、今のところ敵なしである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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