ホワイトハウスオートモービルが、10月28日より開幕する「東京モーターショー2015」にて日本初公開する米国ポラリス社の3輪ビークル『スリングショット』に早くも試乗した。
プレス向け試乗会が行われたのは栃木県にあるHEROしのいサーキット。ピットにはフロント2輪、リア1輪のスリーホイールロードスターが待っていた。
他の何にも似ていない斬新なスタイルは、見るからにスポーティ。公道で走れば注目の的になるのは間違いない。
753kgの軽量ボディに、最高出力173psを発生するGM製2.4リットルDOHCエンジンを搭載。そのパワーウェイトレシオを考えれば当然だが、アクセルを踏み込むと凄まじい加速を体感できる。サーキットでなければ許されない速度域へ、あっという間に到達していく。
駆動輪であるリアタイヤは、モノショック+片持ち式スイングアームで構成され、モーターサイクルのよう。ベルトドライブ駆動で、地面を蹴飛ばすように図太いトルクで車体を前に押し出す感覚が気持ちいい。車名のとおり、パチンコで弾かれたタマのようにダッシュする。
自分はバイクライターだから、ステアリングワークが我ながらぎこちないが、この旋回力はすごい。フロント2輪で転倒の心配がないから、コーナリングではガンガン攻められる。クイックに向きが変わり、ただただエキサイティングだ。
フロントガラスはないし、開放感はバイクにも負けない。アングルがとても低く、凄まじい速さで流れるアスファルトがすぐ近くに見えるのも面白い。バイクで走っているとき、もしスリングショットがバックミラーに映ったら、すぐに道を譲ろうと思う。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★
扱いやすさ:★★★
スタイル:★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。