【ホンダミーティング15】改良新型 アコード PHEV に試乗…EV走行は現行の3倍に

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ホンダ 改良新型アコードPHEV
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大容量バッテリーを搭載し、短距離であればEVとして運用可能という特性を持つプラグインハイブリッドカー。ホンダは2013年、電動車両戦略の一環として『アコードPHEV(プラグインハイブリッド)』を日米に投入したが、プラグインハイブリッドが一部を除いて苦戦気味な中でなお、ライバルに対して存在感をほとんど発揮できなかった。

一敗地にまみれたホンダが捲土重来を期して、改良型アコードPHEVをスタンバイさせている。電池の搭載位置を床下に変更したうえで大容量・高性能化。車載バッテリー充放電に使える容量は10kWh以上と、純EVの半分程度となり、EV走行距離もアメリカ基準で現行の13マイル(21km)から40マイル(64km)以上へと、実に3倍以上に増えるという。JC08モード走行時の航続距離は100km超となる可能性がある。

そのアコードPHEVを短距離試乗したが、バッテリー大容量化のメリットは航続距離だけでなく、ドライバビリティの面にも表れていた。現行モデルはノーマルのハイブリッドと比べるとEV加速が可能な範囲は広かったが、それでも交通の流れをリードするような加速をすると、電力不足を補うためエンジンがすぐにかかっていた。それに対して次期アコードPHEVは、全開加速に近い領域ではさすがにエンジンがかかるものの、流入路の距離が短くなければEV走行状態を保ったまま高速道路の本線車道に合流できるくらいに粘った。聞けば、EV状態での100km/h巡航も余裕であるという。

バッテリー搭載位置の変更によって、これまでDセグメント(ラージクラス)の乗用車としては失格レベルであったトランクルームは一気に広がり、まともなツアラーとして運用可能になったこともポジティブファクターだろう。この新アコードPHEVが果たしてどのくらいの価格で販売されるのか興味深い。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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