PSAグループ開発の「PureTech(ピュアテック)」3気筒ターボエンジンが1.0-1.4リットル部門において「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2015」を受賞し波に乗っている中、次の一手となるであろうディーゼルエンジン。プジョー・シトロエン・ジャポン(PCJ)のクリストフ・プレヴォ社長が語るエンジンに対する考えとは。
◆ディーゼルはPSAの「ベストプレイヤー」
----:「プジョーといえばディーゼルエンジン」と言える程、ヨーロッパでも定評があります。日本市場へも導入されることがすでに予告されていますが、自信の程は?
クリストフ・プレヴォ社長(以下敬称略):ディーゼルエンジンはPSAグループが掲げる技術としてはメイン、もしくはベストプレイヤーであると自負していますので、日本市場に投入するべきであると考えています。
クリーンディーゼルエンジン搭載モデルの導入時期は東京モーターショーで公表したいと考えていますが、この結論に至ったのは最近で、ダイナミズムといった点ではタイムリーに魅力的な商品を出していきたいと思います。
----:日本市場では他のブランドに先を越されているのが現状です。なぜ、今秋の東京モーターショーでの正式アナウンスというタイミングになったのでしょうか。
プレヴォ:PSAはディーゼルエンジンに長けているとはいえ、オートマチックトランスミッション(AT)と組み合わせることを重視していませんでした。このためATが主流の日本市場のためだけに製品を出すということは現実的ではないと考えていました。
しかし、その後のATに対するニーズの変化や技術の進化で、ATとの組み合わせが可能になったことから、本社のゴーサインが出ました。このエンジンはエコカー減税を受けられる仕様にもなっていますし、CO2の排出量も少ないので、そうした意味では最新のエンジンを日本市場に導入することになります。
----:日本ではハイブリッド車の人気が高く国産車を始め、輸入車ブランドでもモデル数を増やしています。PCJとしての考え方をお聞かせください。
プレヴォ:我々のクリーンディーゼルは、ガソリンハイブリッド車とCO2の排出量がほぼ同じという性能を持っていますし、高速道路を走った時の燃費を比べるとクリーンディーゼルの方が優れているという結果も出ています。環境保護の分野では決して引けはとらないと自負しています。
もちろんハイブリッド車を軽視しているわけではありません。我々は小型ガソリン車の燃費向上を始め、プラグインハイブリッド車などさまざまな技術開発に取り組んでいるところです。