講師はプロレーシングドライバー、受講者は一般の高速道路利用者という一風変わった「ドライビングレッスン」が22日、茨城県・筑波サーキットで開催された。
高速道路会社のNEXCO東日本(東日本高速)が会社創立10周年を記念して無料で開催した運転講習なのだが、その内容は実践的。
シートポジションなど基礎的な知識を教える座学の後に、1周約1000メートルの「コース1000」でストレートを利用したフルブレーキング体験、コーナー手前で適度にブレーキをかけ進入するコーナーリング体験などを何度も繰り返した。
さらに、昼食を挟んで連続走行でのコーナーリングを体験。その後に、数多くのレースが開催される「コース2000」に出て、サーキットの周回走行をこなした。
安全運転講習はいろいろな場所で開催されている。ただ、高速道路での運転を想定し、安全運転技術の向上を目的とするレッスンは思ったほど多くなく、体験する一般のドライバーは少ない。
「高速道路での安全運転講習は体験が難しく、それをサーキットコースを借り切って実施できたので、より効果的に高速道路での運転技術を身につけていただけたのではないかと思う」(広報課)。
指導にあたった黒澤琢弥氏は、全日本F3000選手権やフォーミュラ・ニッポンで活躍したレーサー。現在はアマチュアとプロがペアを組み競うワンメイクレース「インタープロトシリーズ」に参戦する。
NEXCO東日本は、実はこのチーム・クロサワのスポンサーでもあり、参戦するマシン「Pasar(パサール)レーシングカー」の名称は、サービスエリアで展開する商業施設Pasar(パサール)に由来する。
レッスンの最後には、このレーシングカーに黒澤氏と同乗する体験試乗もあった。
参加者は20歳代~50歳代の男女24人。家族連れで訪れて、いっしょに食事をしながらレッスンを見学する風景も見られた。
「今までも安全運転講習は手掛けてきましたが、サーキットを使ってのドライビングレッスンは初めての試み。記念イベントという形で開催しましたが好評なので、来年度にも開催できるように考えていきたい」(同課)と、手ごたえを感じていたようすだ。