【ジャガー XE 試乗】退屈なサルーンと対極にある、2リットルターボ…青山尚暉 | レスポンス(Response.jp)

【ジャガー XE 試乗】退屈なサルーンと対極にある、2リットルターボ…青山尚暉

試乗記 輸入車

ジャガー XE ポートフォリオ
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かつて『Xタイプ』が担っていたジャガーのDセグメントサルーンが復活した。そう、オールニューのジャガー『XE』である。最初に言っておけば、XEは退屈なサルーンと対極にある、ジャガーの血が濃い真正スポーツサルーンそのものだった。

ボディサイズは全長4680×全幅1850×全高1415mm。ホイールベース2835mm、車重1640kg。そのスタイリングはクーペライクなルーフラインを採用するが、顔つきは意外なほど控えめでジェントル。はやりの大口はあけていないし、サイドラインも実にシンプルだ。しかし実車を細かく見ていくと、前後オーバーハングは短く、キャビンは後ろよりで、ドライバーは車体ほぼ中央に着座するスポーツサルーンとして理想的なパッケージングが施されていることが分かる。

インテリアも素晴らしい。前席はスポーツドライビングに適した低くややタイトな空間。しかし仕立てはジャガー一流のもので、スポーツサルーンとして極上の世界がそこにある。

後席は身長171cmのドライバー基準で頭上に90mm、ひざ回りに190mmのスペースがあり、ドイツ車とはひと味ちがう落ち着き感とラグジュアリーな気分が味わえるのも魅力である。

XEに用意されるエンジンは3種。今回試乗したポートフォリオを含む基準車は、直4の2リットルターボ。ピュアとプレステージ用の200psと、(2.5を名乗るも)ポートフォリオ用の240psのチューンがあり、さらにSは3リットルV6スーパーチャージャー、340psとなり、ミッションはすべて8ATである。

エンジン始動で顔を出すロータリータイプのATセレクターをDレンジにセットして走りだせば、まずは圧巻のボディー剛性の高さがもたらす信頼感、心地よさと、滑らかなエンジンフィール、そして速度を上げていくほどに際立つ、4輪のタイヤの超絶なグリップレベル高さに心踊らされることになった。

試乗車はOPの19インチタイヤを装着していたが(標準は18インチ)、乗り心地はズシリと硬めながら、角が丸められたしなやかでジェントルなタッチ。試乗コースは福島周辺のワインディングロードが中心で、路面の荒れた場所も多く、枯れ葉がじゅうたんとなったつづら折りの道では途中、雨に見舞われたものの、それでもスタビリティは終始鉄壁。タイトコーナーでコーナー内側後輪にブレーキをかけトルク・ベクタリング・バイ・ブレーキの効果もあってか、ヒヤリとするような場面は皆無。人車一体の操縦感覚、気持ち良さ、控えめとはいえ時折見せるスポーツサウンドにただただ感動するばかりだった。

Dセグメントのサルーンでも今や直4エンジンは当たり前の時代だが、ジャガーファンなら2リットルで本当に大丈夫かっ!? と思って当然かもしれない。しかしこの240psのスペックを持つポートフォリオは正直、十二分どころじゃなく速い。それも速度感をほとんど感じさせないまま、静かに一気にシュッパーッと速度を上げるマナーの持ち主なのだからジェントルだ。

気になるのは全幅。BMW『3シリーズ』の日本仕様、メルセデスベンツ『Cクラス』の1800~1810mmに対して、同『5シリーズ』/『Eクラス』に匹敵する1850mmになるところだが(XJは1900mm)、それは車格感アップに直結するともいえる。少なくとも、今回の福島の市街地、峠道を含む試乗コースで車幅が手に余ることはなかった(購入前に駐車場事情やよく使う道幅は考慮したいところだが)。

輸入DセグメントのサルーンはメルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズなどドイツの強敵ぞろいだが、ジャガーXEの完成度の高さには、ジャガーファンならずとも、そうしたライバルを退けて選ぶ価値、魅力があると思えた。なお、シリーズ中、もっともモード燃費がいいのは実はこれ。2リットル、200ps版の11.8km/リットルに対してこちらは12.5km/リットルとなる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行なっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
《青山尚暉》

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