国立天文台は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のジョン・シルバーマン特任助教らの研究グループが遠方銀河の活発な星形成を観測したと発表した。
研究グループは、南米チリのアタカマ高地にあるアルマ望遠鏡やフランスのビュール高原にあるビュール高原電波干渉計(PdBI)といった電波望遠鏡を用い、遠くの宇宙にある7つのスターバースト銀河(爆発的星形成銀河)を観測した。
この結果、遠方のスターバースト銀河の環境が、激しい星形成が起きている近くのスターバースト銀河と似ていることが分かった。この結果から、昔の宇宙でも現在と同じような環境下で爆発的な星の形成が起きていた可能性が示された。
今後、アルマ望遠鏡を用いた電波による観測と、FMOSを用いた近赤外線による観測の両面から、遠方のスターバースト銀河をさらに調べることで、過去の宇宙においてどのような環境下で爆発的な星形成が起きていたのかをより詳細に明らかにし、過去から現在に至るまでの銀河の進化に迫ることが期待されるとしている。