先代エクスプローラーの試乗を申し込んだ際、広報車の用意がなく、自宅近くのディーラーでドア一面に“Eco Boost”の文字が入った試乗車を借り出した覚えがある。豊かなボディに2リットルエンジンの組み合わせで軽々と、まるでより小型のSUVを走らせているようだった。その2リットルエンジンが2.3リットルに排気量を拡大し、新型のFWDモデル「XLT エコブースト」に搭載された。「0.3リットル分の違いでしょ!?」と気軽に試乗してみると、違いの大きさに驚かされた。261ps/42.8kg-mの新しいスペックは、トルクで何と15%もの増強。なので、今までとはキャラクターが変わったかのごとく、発進、加速に逞しさが加わった。箱根の上り勾配も何なくクルマを引っ張ってくれ、なるほどエクスプローラーに相応しいエンジンに仕上がっている…と納得できた次第。新型はフェイスリフトもポイントで、スマートだった先代に対し力強さが増した。新しいグリルはパターンが立体的だから、見る角度により形状が変化するのがおもしろい。インテリアは、斬新過ぎないところに安心感がある。“ミディアムライトキャメル”の明るい色調の本革シートは標準で、1~3列までフカッ! と優しげな座り心地。操作系は8インチモニターに表示が出るとともに、空調関係は別のハードスイッチを設けるなど、実用的な配置だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。