東洋ゴム、一般産業用防振ゴム部品でも不正が発覚

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東洋ゴム タイヤ技術センターに設置されている免震ゴム(資料画像)
  • 東洋ゴム タイヤ技術センターに設置されている免震ゴム(資料画像)

東洋ゴム工業は、免震ゴム問題を受けて実施している再発防止策取り組みの中で、コンプライアンスの観点から問題と見られる事案が発生したと発表した。

同社は、基準不適合の免震ゴムを販売していたことが発覚し、現在、再発防止策を進めている。この中で、ダイバーテック事業セグメントの子会社である東洋ゴム化工品・明石工場で製造・販売している一般産業用防振ゴム部品の一部で、納入先に交付している製品検査成績書に事実と異なる記載が行なわれていた疑いが、コンプライアンスの啓発、推進の中で報告された。

一般産業用防振ゴム部品は、主に船舶のエンジン駆動部の振動吸収、鉄道車両や産業機械の振動緩衝を目的に、ゴム材料と金具を一体加工したもの。

東洋ゴムは、社内調査で問題行為が行われていたことを確認し、製品の納入先、国土交通省、経済産業省へ報告するとともに、両省から事実関係の調査報告の指示を受けたとしている。

問題の行為は、出荷部品のゴム材料試験を実際に行なわないまま、検査成績記入欄に過去のデータを転記または経験式(計算による算出)で得た数値を検査成績記入欄に記載していた。出荷する部品のゴム材料試験を行なったところ、求められる規格値に満たない結果となった試験成績を改ざんし、規格値を満たした数値を検査成績記入欄に記載していた。

また、出荷する部品のゴム材料試験を行なっていたものの、納入先の仕様書で指定されている抜き取り検査数(頻度)を満たさないまま、検査成績を記入していた。

同社では、一般産業用防振ゴム部品のうち、事実と異なる記載の疑いが判明した船舶用、鉄道車両用、建設機械用、その他産業用合計1841品番2494万3717個を対象に、交付した製品検査成績書への記載データとゴム材料物性試験の記録データ(元データ)を照合。試験の実施有無、記載数値を確認したところ、現時点で、合計189品番で問題行為があったことを確認したとしている。納入先は18社。

同社では、対象製品以外に同工場で製造している防振ゴム分野の産業機械用空気ばね、鉄道車両用空気ばね、ゴムホースにも対象を拡げて調査したところ、現時点で今回の事案に該当する問題行為がなかったことを確認したとしている。

同社では、今回の事案判明直後、問題の見付かった189品番に使用されているゴム材料について、自社による再現試験、社外第三者機関への検査を依頼し、ゴム材料の物性評価を納入先へ情報開示と説明を進めるとしている。

《レスポンス編集部》

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