【WEC 第6戦】ウェーバー組17号車が富士を制す…ポルシェ4連勝、2戦ぶり1-2フィニッシュ

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
富士を制した#17 ポルシェの(左から)ハートレー、ウェーバー、ベルンハルト。
  • 富士を制した#17 ポルシェの(左から)ハートレー、ウェーバー、ベルンハルト。
  • 優勝を飾った#17 ポルシェ。
  • LMP1の表彰式。
  • #18 ポルシェは決勝2位。
  • #7 アウディは決勝3位。
  • 決勝4位の#8 アウディ。
  • 後列の3人が決勝3位だった#7 アウディのドライバー。左からファスラー、ロッテラー、トレルイエ。
  • LMP1の決勝トップ3会見。前段の左3人が2位の#18 ポルシェ、右3人が優勝の#17 ポルシェの各ドライバーたち。

世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間」は11日、決勝レースを行ない、ポルシェ919 Hybridが1-2フィニッシュを飾った。これでポルシェは4連勝。優勝はマーク・ウェーバーらの17号車だった。

決勝終盤、最高峰LMP1-Hクラスの大勢はほぼ決しており、焦点は1-2のポルシェ勢と3-4のアウディ勢が、それぞれドライバーズポイントのことを考えて陣内の順位を逆転させるかどうかに絞られた。そして最終盤、ポルシェはコース上で、アウディはピットで、それぞれチームオーダー(と思われる動き)を完遂し、ドライバーズポイントで上位につけている方のマシンを、上の順位でゴールさせた。

LMP1-Hクラス6台の決勝最終順位は以下の通り。

1位:#17 ポルシェ(919 Hybrid/T.ベルンハルト&M.ウェーバー&B.ハートレー)
2位:#18 ポルシェ(919 Hybrid/R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)
3位:#7 アウディ(R18 e-tron quattro/M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ)
4位:#8 アウディ(R18 e-tron quattro/L.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス)
5位:#1 トヨタ(TS040 HYBRID/A.デビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴)
6位:#2 トヨタ(TS040 HYBRID/A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ)

雨の影響を大きく受けた序盤こそ順位は変動したが、終わってみれば6台の順位は予選順位通り。現状のマシンの力通りという決着だった。

ポルシェは第3戦ルマン24時間から続く連勝を4に伸ばした。1-2は2戦ぶり。17号車トリオはこれで3連勝だが、ルマンで勝ったのは“3台目”の19号車(F1現役のN.ヒュルケンベルグらが乗り組んだ)だったため、18号車トリオは今季未勝利でありながらもチームプレーに徹して勝利を17号車に譲るかたちとなった。ポルシェはマニュファクチャラーポイントランクトップを大差でキープするとともに、17号車トリオのウェーバーらがアウディ7号車トリオを1点逆転、ドライバーズポイントランキングでも首位の座を得ている。

優勝したウェーバーのコメント
「今日は本来なら18号車の日だった。我々ポルシェチームが勝利した日、ということだと考えている。1点差だが、ここでチャンピオンシップをリードすることができたのはとても良かった。ハッピーだ。次の上海でも引き続きアウディにプレッシャーをかけられる戦いをしていくつもりだ。上海でのアウディは速いだろうと思うからね。最終戦のバーレーンはどうかって? 我々に分があるんじゃないかな」

序盤に1-2を占めるなどしたアウディ勢だったが、最終的には富士でもポルシェの後塵を拝する結果になって4連敗。残り2戦、1点差とはいえロッテラーら7号車トリオは今季初めて、ドライバーズタイトル争いで追う側にまわった。

ロッテラーのコメント
「少しガッカリしているのは確かだ。タイヤ選択等でギャンブル的な攻め方もしたが、ポルシェに対抗するためにはそういうトライが必要だったからね。チームメイトの8号車がヘルプしてくれて、3位でゴールできた。ドライバーズタイトル争いは、(残りの)2レースでオープンに争うチャンピオンシップになったということだよ。マシンパフォーマンスは向上しているし、次の上海に関しては自信も感じている」

残り2戦、LMP1のマニュファクチャラーズタイトル争いは、ポルシェの王座獲得がいよいよ濃厚となってきた(ロッテラーも認めるところ)。だが、今回の富士でそれぞれ僚友の助けを得て、最終2戦真っ向勝負に臨むこととなったポルシェ17号車ウェーバー組vsアウディ7号車ロッテラー組のドライバーズタイトル争いは、ロッテラーが言うように、ここからまさにスタートともいえる状況である。

トヨタ勢は決勝5、6位。途中、長いピットインなどで大きく遅れた#2も、最後は総合6位まで追い上げてゴールを迎えている。雨の序盤には#1の一貴がポルシェと好戦して見せ場もつくったトヨタだが、最終的には今季マシンの力のままの順位に収束、富士戦4年連続優勝は遠かった。来季の挽回に期待をかけたい。

なお、LMP1クラスのノンハイブリッド勢(LMP1-H以外)では#12 REBELLION RACING(レベリオンR-One-AER/N.プロスト&M.ベシェ)がトップでゴールした(総合7位)。

次戦第7戦は11月1日決勝の現地日程で、上海での開催。そして最終第8戦は11月21日決勝の現地日程で、バーレーンにて開催される。また、来季もWEC富士戦は開催予定となっており、現状では2016年10月16日決勝の日程で、全9戦に拡大されるなかの第7戦としてスケジュールされている。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集