雨の日の運転でドアミラーに水滴がつき、見づらい経験をした人も少なくないだろう。綜研化学(本社・東京都豊島区)はそんな問題を解消する高機能フィルムを開発、新材料・技術を集めた展示会「エヌプラス」(東京ビッグサイト)で初披露した。
この高機能フィルムは同社がこれまで培ってきた「ナノインプリント技術」と「ポリマー設計技術」をハイブリッド化し、ハスの葉の表面の微細な凹凸構造を模倣して開発に成功したという。
「水接触角が170度以上あり、かつ可視光の透過率が90%以上という超撥水性と高透明性を兼ね備えた、画期的な高機能フィルムと言っていいと思います」と同社関係者は話す。事実、展示してあったミラーは次々に水をはじき、フィルムを貼っていない部分と全く違っていた。
「まずは自動車や建材用途を中心に広げていき、その後、幅広い用途で使用してもらおうと考えています」と同社関係者。これからサンプル出荷を開始し、顧客の要望を反映させた改良、量産化を進め、2016年夏以降の販売を目指すという。