ソニー製カーオーディオ復活の布石か、北陸限定スマホ対応モデル登場で

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昨年春に開催されたバンコク国際モーターショーでも紹介されたXSP-N1BT
  • 昨年春に開催されたバンコク国際モーターショーでも紹介されたXSP-N1BT
  • スマホを取り外せば2DINサイズのCDレシーバーとして使える
  • スマホを装着するとマグネット式で充電が行われる
  • XSP-N1BTは昨年1月に米国ラスベガスで開催されたCES2014で初出展

日本市場から撤退して久しいソニーのカーオーディオが、「XSP-N1BT」を1機種のみではあるが日産系の北陸地方(石川・富山・福井)ディーラーのみで8月末より発売を開始。これはソニー製カーオーディオが日本市場で復活する布石なのか。ソニー広報室と富山日産に問い合わせてみた。

結論から言えば、「ソニーが現時点でカーオーディオを日本市場で復活する予定はありません」(ソニー広報室)とのこと。ではどうして地域限定で、しかも日産ディーラーでのみ販売をスタートさせたのか。「この件は、あくまで日産自動車側の企画提案にソニーが応じたもので、販売エリアを北陸3県に限定したのも日産側で決定されたもの。ソニーはその要請に応じて商品の供給を行っているだけです」(同)

XSP-N1BTはすでに海外市場で昨年より販売されており、北陸で販売されている製品は型番も同じ。チューナー系を含め、仕様は海外版そのままなのか?

「ソニーが直接販売に関わっていないとは言え、ソニー製品として販売する以上、チューナーなど日本で使うのに不都合が起きないよう仕様変更はしています」(同)とのことで、日本で使うのに不都合はなさそうだ。

ただ、「販売価格は3万9800円」(同)と、海外が250ドル前後でスタートしたのに比べても高めの設定だ。これは日本仕様に変更したコストが上乗せされている可能性もある。他の製品へ広げていく可能性はあるのかという問いに対しては、「当面はその予定はありませんが、それも日産自動車との話し合いの中で決まっていくことになると思います」(同)と、この件はあくまで日産自動車側の判断次第になっているようだ。

一方、XSP-N1BTを販売するディーラーの一つ、富山日産にも聞いてみた。それによると「XSP-N1BTは、北陸3県で『日産純正』として先行販売すると日産自動車から聞いています。純正で販売するため、3年あるいは6万kmの保証が付くのは他の機種と同じです。価格は3万9800円(税別)ですが、これ以外に取り付け工賃がかかります」(富山日産)という。

『日産純正』である以上、日産車を持っていないと購入はできないのか聞くと、「保証が付かない形でも良ければ、日産車以外でも取り付けは行います」(同)。その理由として、「『日産純正』は取り付ける車両が日産車であることが前提であって、これに取り付けない場合は保証対象外となります」(同)とのことだ。

ソニーがカーオーディオで日本市場から撤退したのは2006年のこと。それから10年近くが経つわけだが、市販カーオーディオ市場の世界的シェアでソニーはパイオニア/JVCケンウッドに続くトップ3の位置にいる。また、OEMの分野ではフォードが『フォーカス』や『フィエスタ』、『クーガ』などに純正カーオーディオとしてソニー製を採用し、日本でも展開中だ。ソニーブランドは、アジア市場を中心に人気が高く、日本市場でも復活を望む声は少なくない。

《会田肇》

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