フロント2輪+リア1輪というだけでも目をひくが、ボリューム感タップリの車体で、ものすごい存在感だ。堂々たるフロントマスクを演出する大柄なフェアリングはバイクのようにも見えるが、2つの車輪からなるフロントセクションを見ると、スポーツカーのようでもある。唯一無二と言える個性的なロードヴィークルは見るからにパワフルで、高級感も漂わせている。装備面も充実している。iPod接続ケーブル付きのオーディオのほかグリップヒーターを備え、パッセンジャーにはクッション厚が充分にあるシートだけでなくバックレストを用意。ラゲッジスペースは合計155リットルもの容量が確保され、タンデムでのロングランも快適にこなす。秀逸なのは電動式のウインドシールドで、高さを無段階で自在に調整できるから、高速巡航時は高い位置で、市街地やワインディングでは低くと、状況によって使い分けられる。さらに、電子制御式のクルーズコントロールや、スイッチ操作だけでプリロード調整ができるサスペンションなど、先進的な機能を惜しみなく搭載しているのも特徴となっている。同じロータックス製の1330cc直列3気筒エンジンを積む兄弟車の『SPYDER F3』と乗りくらべると、エンジンはマイルドで扱いやすく、足まわりも乗り心地を重視した味付けが施されていることがわかる。F3は獰猛ともいえる過激なスロットルレスポンスを見せるが、RTは比較的穏やか。トップギヤ6速はオーバードライブとして機能し、高いクルージング力を持つ。とはいえ、走りは充分に熱い。加速力は申し分なく、力強い走りは健在。このアグレシッブな走りを楽しめながら、ツアラーとしての快適装備を満載にしているのだ。■5つ星評価パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★コンフォート:★★★★★お目立ち度:★★★★★オススメ度:★★★★★青木タカオ|モーターサイクルジャーナリストバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。
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