SUPER GT第5戦「鈴鹿1000km」の決勝前夜祭が予選日(29日)の夜に実施され、中嶋悟や小林可夢偉ら歴代日本人F1レギュラードライバーが集結。多くのファンとともに翌日の決勝に向けて前景気を煽った。
SUPER GTの一戦となる以前から長い伝統を誇る一戦、鈴鹿1000kmは今年で44回目。その決勝前夜祭には、実に豪華な顔ぶれが集まった。今はそれぞれSUPER GT参戦チームの監督としても活躍する中嶋悟、鈴木亜久里、片山右京、高木虎之介、歴代の日本人F1戦士のうち4人がステージ上に会したのである。F1時代のエピソードも含めたトークショーで、強い雨に見舞われたなかもグランドスタンドに残ったファンを大いに楽しませた。
一方、昨年までF1に参戦し、今年は全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)に戦いの場を移している小林可夢偉は、別のトークプログラムで前夜祭のステージに。可夢偉の対談相手は元ブリヂストンのF1活動陣頭指揮官にして、昨年までフェラーリF1チームに所属していたタイヤエンジニア、浜島裕英氏。鈴鹿では9月25~27日にF1日本GP、そして11月7~8日には可夢偉も参戦するSFの最終戦が開催される。翌日の鈴鹿1000km決勝のみならず、それら大会への期待も増す方向でトークが展開された。
その他、中嶋悟監督の次男で現在は悟監督が率いるNAKAJIMA RACINGでSUPER GTとSFを戦う中嶋大祐が、悟監督のF1現役時のマシン、ハイノーズの先駆けとなった名車でもある「ティレル019・フォード」に搭乗。天候の影響でデモ走行はならなかったが、レジェンドマシンとレジェンドレーサー2世である気鋭との時空を超えたコラボで、新旧双方のファンを喜ばせている。NAKAJIMA RACING(#64 ホンダNSX)はこの日の予選でGT500クラス3位となっており、明日の決勝での活躍にも注目が集まるところだ。
デモ走行プログラムにはもう1台、かつてのSUPER GTマシン「PETRONAS TOM’S SC430」(レクサス)も登場。こちらは現TOM’Sドライバーである伊藤大輔のドライブで実際にコースを走っており、ティレル019との“異種格闘技戦”が実現しなかったのは残念至極、実に天候が恨めしい結果となった。
熱戦への期待が一層高まったSUPER GT第5戦「鈴鹿1000km」決勝は、明日(30日)の12時30分に激闘の火蓋を切る予定。天気予報は雨のち曇りというところなので、決勝は微妙な路面状況推移のもと、作戦的な駆け引きが絡み合う攻防戦となるかもしれない。