「剥がしやすさ」がタイヤピットの現場を変える… マルエム製 新バランスウェイト

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マルエム製バランスウェイトの新製品「鉄製貼付プレミアムロールウエイトFe-PM25」は“剥がしやすさ”が特徴
  • マルエム製バランスウェイトの新製品「鉄製貼付プレミアムロールウエイトFe-PM25」は“剥がしやすさ”が特徴
  • マルエム製バランスウェイトの新製品「鉄製貼付プレミアムロールウエイトFe-PM25」
  • オートウェーブ ピット長の鈴木孝匡氏と、オートウェーブ宮野木店の荒木直人タイヤピット長(右)
  • マルエム製バランスウェイトの新製品「鉄製貼付プレミアムロールウエイトFe-PM25」
  • バランスウェイト交換の様子(従来品)
  • 従来品は一つ一つバラバラになってしまううえに、粘着シールの残骸も残ってしまうことが多い
  • 従来品は一つ一つバラバラになってしまううえに、粘着シールの残骸も残ってしまうことが多い
  • バランスウェイト交換の様子

ホイールに装着するバランスウェイトなどを開発・製造するマルエム(東京都板橋区)が、「新製品のバランスウェイトを10月から発売する」ということで、そのプロトタイプを千葉のカー用品店で試した。

同社が「発想から商品化まで10年を費やした」というこの新商品の名は『鉄製貼付プレミアムロールウエイトFe-PM25』『(同)Fe-PM50』。マルエムの長谷川敏雄氏によれば、従来のスチール製貼付タイプのバランスウェイトと決定的に違うのは、その「剥がしやすさ」だという。

テスト現場は、千葉市にある「オートウェーブ宮野木店」。オートウェーブピット長の鈴木孝匡氏(匚の中は玉)と、同店・タイヤピット長の荒木直人氏が立会い、従来品と発売予定の新製品を比較した。

一般ユーザーの目にはほとんどとまらないこのバランスウェイトだが、「これがないと高速走行時などにハンドルがガタガタと振動するほど不安定になる」(荒木氏)という。たとえば、タイヤ交換やローテーション、冬・夏タイヤの履きかえなどのさい、作業ピットで必ず行うのがバランス調整。ほとんどの場合、その調整費用などは「工賃」に含まれている。

ピットでは、ホイールバランサーという機材を用いて、タイヤが最適に回転するにはホイールのどのあたりにどのぐらいの重量のおもり(ウェイト)を付ければいいかを算出。コンピュータがはじき出した位置と重さに従い、ピットクルーが粘着シールの付いたおもり=バランスウェイトをペタペタと貼っていく。

◆値札シールがうまく剥がせない…あの感覚から解放

買い物をして、商品に付けられている値札シールがうまく剥がせず、消しゴムやガムテープで残ったベタベタ部分を取る面倒を体感したことはないだろうか。

タイヤ交換などで忙しなく動くピットクルーも同じ不便さを感じている。従来のスチール製バランスウェイトは、小さな鉄のコマが両面テープでつながっている状態で、タイヤ交換時などは、この鉄のコマを専用ハサミでひとつひとつ剥がさねばならない。その後、バランサーが算出したグラム数と位置に従い新たなウェイトを貼っていくという作業に移る。

この鉄のコマをひとつひとつ剥がしていくとき、ホイール側に粘着シールのベタベタが残ってしまう場合が多い。「この粘着部分の残骸をイレーサーやパーツクリーナーなどで剥がしていくのに時間がかかる」と荒木氏。結果的にお客さんを待たせてしまうことになるのだ。

この労力と時間から解放させてくれるのが、今回のマルエム製「プレミアムロールウェイト」だ。この新商品は、「ペロッと一発で剥がせる」のが特徴。「新たな粘着シールを開発し、日本で製造している。メイドインジャパンのプロダクト。一度、試してもらえばその耐久性・効率性を実感してもらえるはず」と長谷川氏はいう。実際に、このプレミアムロールウェイトをホイールに貼り、剥がしてみると…。

◆「一発」は作業員・顧客・オーナーの全方向にうれしい

「実際に試してみて、剥がすのにかかった時間が覚えてないほど、早い。それに、このプレミアム版の粘着シール部分は、ちょっとやそっとじゃ切れない。従来品は手で引っぱれば切れてしまうのに」と荒木氏。従来のウェイトをひとつひとつ、専用のハサミで剥がしていたときに比べ、絆創膏を剥がすのと同じように、ペロッと一発で取れてしまうのだから、その進化は劇的といえる。

「たとえば、関東で初雪となった日などは、冬タイヤに交換するユーザが押し寄せて、ピットの入庫数が一気に増える。そんなとき、この一発で剥がせるウェイトがあれば、ものすごく助かる。新ウェイトの導入コストはかかるかもしれないが、作業の回転率も上がり、お客さんの待ち時間も短くなることで、リピート率も上がる。ひいては売上もアップすると実感した」(荒木氏)。

マルエムはこれまで、ホイール内側の弧によりフィットするために、鉄ウェイトのコマひとつひとつを台形にするといった工夫を施すなど、オリジナル性でリードしてきた。そして今回、「剥がしやすさ」に重きをおき、強い粘着力と剥がしやすさという、いわば相反するメリットを追求し、“10年越し”の新商品で世に問う。

作業を終えた荒木氏は、「この冬にプレミアムロールウェイトを付けたクルマが、来春の夏タイヤに履きかえるとき、その剥がしやすさをピットであらためて実感したい。いまから楽しみにしている」と話していた。

《レスポンス編集部》

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