帰省や行楽などで高速道路の渋滞が報じられるこの時期、首都圏と空港を結ぶ高速バスやタクシーは、どう走るか。8月8日、北区で営業するタクシーの運転手は、「都内は8日から空き始めるけど、こういう時期は思わぬところが渋滞したりで所要時間が読めない」と話す。
「下り線の渋滞ピークが過ぎたあとは、都内で行われる祭りやイベントの混雑に巻き込まれるときがある。たとえば、羽田空港へ向かう途中には秋葉原とかお台場とか。成田空港へは幕張とか酒々井。ナビがあっても、なかなか読めない。こういう時期はお客に到着予想時刻を伝えられない」(前出のタクシー運転手)。
両空港へ向かう高速バスがこうした“フェス渋滞”や“セール渋滞”に遭遇した場合、遅れを「取り戻さない」という。複数のバス会社やバス協会が共通した“動き”を教えてくれた。
「まずできる限り早めに乗客に遅延の情報を伝える。乗客のほとんどが搭乗時間にあわせてバスに乗っているので、早め早めに到着予想時刻を伝える」(高速バス会社)。
「遅れを取り戻すという意識をなくし、回復運転はしない。大幅に遅延しそうな場合は、各社が持つ運行管理センターやオペレーション室と連絡をとり、事前に定められたう回ルートに入る」(バス協会)。
また、8月に乗車した羽田行き高速バスの運転手は、「定速運転を心がける習慣から、視界に入ってくる白い点線車線の数と通過秒数で、いまどのくらいのスピードで走っているかがわかる。前方遠くで光るブレーキランプや、エンジン音や白線の流れから、渋滞の“兆し”を感じるときもある」とも話していた。