ボッシュ株式会社は7月30日、同社の栃木工場にてプレス向けに「ボッシュ二輪事業説明会」を開催。二輪事業と専門部署「モーターサイクル・パワースポーツ」の設立について発表した。
世界的に見て二輪車の需要は高まる一方で、世界の二輪車生産は2021年までに現在の約1.3倍にあたる年間1億6000万台を超えると予測されている。
そこでボッシュでは、全世界の二輪車メーカーの個々の要求により効率的に応えること、また二輪車システム関連の製品群を拡充し専門知識を強化するのを目的に、モーターサイクルを中心に四輪バギーや水上オートバイ、スノーモービルなどを扱う専門の部署「モーターサイクル・パワースポーツ」を今年4月1日に新設した。
常務執行役員ジェフ・リアッシュ氏によると、本部は世界の二輪車産業の中心地である日本の横浜に置き、すでに米国、欧州、インド、中国に支社も展開し、グローバルな体制を構築したという。
これまでの組織では四輪の各部門が二輪製品も扱っていたが、強い情熱を持った専門のチームによって専門の部署を立ち上げたことにより、モーターサイクル市場への注力がさらに高まり、ニーズへの対応を強化できるとしている。二輪車向けにさらに特化し、幅広い製品群を揃え、一部門で顧客と向き合う姿勢だ。
なぜ、日本に本部を置くのかという問いかけにリアッシュ氏は「日本のチームは、すでに20年以上に及ぶ実績があります。つまり、それだけの専門知識を持っているからです」と答え、新体制に自信をのぞかせた。
ボッシュは1980年代末頃から、乗用車向けに設計されていたシステムをベースに、モーターサイクル用ABSの開発に着手。1994年に最初のシステムが生産され、日本の警察向けのスズキ製モーターサイクルに装備。以来、累計100万台以上のモーターサイクルがボッシュのABSを装備している。