メインセクションおよびシートレールにトラス構造を採用した鋼管製ダイヤモンドフレームに、DOHC4バルブ単気筒を搭載し、2011年にデビュー。14年モデルで二眼タイプのヘッドライトを採用し、よりスポーティなフロントフェイスとなったのは記憶にも新しい。
このとき、カウルやサイドカバーのデザインが一新されたほか、燃料タンクやスクリーンの形状も見直され、精悍なスーパースポーツルックにより磨きをかけた。新形状のステンレス製マフラーは上質感とスポーティさを増し、スタイリッシュな外観に貢献している。
その見た目の通り、走りもスポーティだ。エンジンは全域で力強く、スロットルレスポンスにも不満はない。低中速域の扱いやすさには定評があり、ラフなアクセルワークでもギクシャクすることはない。
初期型では高回転域での伸びにシングルエンジンの限界を感じたが、現行モデルではトップエンド付近でも粘り強くパワーを絞り出す。
排気音にも迫力があり、2気筒エンジンを積むライバル勢に負けじと弾けるようなサウンドを放ちつつ元気よく回る。
ハンドリングは市街地走行にマッチした軽快なもので、250ライトウェイトスポーツならではの俊敏な走りが楽しめる。ハンドル切れ角も広く、バイク便のライダーに好まれるのも頷ける。
人気機種とあって車体色はバラエティーに富むし、ABS仕様のほか、さらにレプソルカラーのスペシャルエディションまで選べる。いざ購入となれば、どのグレードを選ぶか大いに迷うだろう。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。