マレーシア消費者連盟(Fomca)は通貨リンギが 9年来の安値となっているため原材料や完成品の輸入コストが増加しているとして、今後の小売価格上昇を予想している。
マレーシアは石油価格下落による歳入の減少や国家債務、インフレーションに苦しんでおり、リンギ安による輸入コストの増加は更なる打撃となるという。
中央銀行バンク・ネガラは、リンギの下落は一時的なものでマレーシアはその影響を緩和できるだけの強固なファンダメンタルズを持っていると指摘した。
一方で、複数のエコノミストはリンギの弱さは経済の状態を表しているとし、国の通貨の価値は経済の健康を図る体温計のようなものであると指摘。憂慮すべき事態であるとの意見を示した。経済への信頼が低くなることで、外国直接投資や民間資金の流入にも悪影響が及ぶという。
6月9日、リンギの対米ドル為替レートは1米ドル=3.77リンギとなり、アジア経済危機の際の3.80リンギに近いレートとなっている。