東京ビッグサイトで開催された「スマートコミュニティジャパン2015」にラジコンカーを展示したのが三矢研究所(本社・神奈川県川崎市)だ。実はこのラジコンカーの発売には古澤利夫社長の趣味が大きく関係しているそうだ。
同社は主にセキュリティ機器用の電子機器の開発を行ってきたが、あるときラジコン用のパーツを発売したところ、それが大当たり。そこでラジコンカーをつくってみようとなったわけだ。それも、どの会社も製作していない5分の1スケールのものだ。
なんでも古澤社長は子どもの頃からラジコンカーで遊んでいて、スロットカーの大会で全日本チャンピオンになったこともある人物。ラジコンカーは男の子なら誰でも興味を持つし、誰もやっていないものを出せばビジネスになると考えたのだ。
そして、ラジコンカーをできるだけ実際の車に近づけた。「ガソリンエンジン(25cc)を搭載し、タイヤや部品などを簡単に交換できるようにして、さまざまな調整を行えるようにしたんです」と同社関係者は話す。しかも、最高速度は60km/hで、満タン(500cc)で2時間以上走り続けるという。そのため、購入する大人が続出し、レースも行われている。
また、実際の車とつくりがほとんど変わらないことから、学校関係者が注目。工業高校では実習の教材としても使われており、高校生がモノづくりを学ぶうえで大いに役立っているそうだ。そのほか、川崎市や川崎商工会議所などの協力や後援を得て、組み立て教室も開いており、大盛況とのこと。ちなみにラジコンカーの価格は約23万円だ。