【レッドブル・エアレース 第2戦】今年の“台風の眼”になるか、室屋選手の活躍に期待

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第1戦アブダビ大会に続いて2連覇を達成したポール・ボノム選手(イギリス)
  • 第1戦アブダビ大会に続いて2連覇を達成したポール・ボノム選手(イギリス)
  • ポール・ボノム選手にはテレビ局のリクエストにも気軽に応じる気さくさがある
  • 決勝の直前、インタビューに応じる室屋義秀選手
  • 滑走路は浦安市の海に面する公園の1角に特設された
  • 室屋選手の新型機体
  • 2位となったマット・ホール選手(オーストラリア)
  • 3iとなったマティアス・ドルダラー選手(ドイツ)
  • パイロンに機体が触れ、飛び散った瞬間。これでタイムに2秒が加算される

日本初開催となった「レッドブル・エアレース」の決勝が、5月17日、前日の予選に続いて同じ千葉市・幕張海浜公園で開かれた。優勝はイギリスのポール・ボノム選手で、初戦のアブダビ戦に続く2連勝。日本人で唯一参戦している室屋義秀選手は最終的に8位に終わった。

この日、朝から晴天となった幕張海浜公園には予選に続く約6万人の観客を集め、2日間合わせて約12万人が初のエアレースを観戦。この日も世界最高レベルの飛行技術を持つパイロット14人が最高速度370km/hでタイムを競い合った。

決勝でまず競われたのが、予選の結果に基づいて14名が1対1でタイムを競い合う「ラウンド・オブ14」。室屋選手は前日の予選で9位となっていたが、ここでは今大会最速タイムともなった50秒779をたたき出して次のステージ「ラウンド・オブ8」へとコマを進めた。

室屋選手によれば「1年前は(新型機体の導入を)予定していなかったが、日本で開催されることが決まって急遽間に合わせた」とする新型機体で参加。決勝直前のインタビューでは「(千葉では)まだ2回しか飛んでいないため、データ取りが十分解析できていない」と語っていたが、直線コースが多い今大会でその効果は十分発揮できたと見ていい。

しかし、この後がいけなかった。気合いが入り過ぎたのか、続く「ラウンド・オブ8」でボノム選手と対戦する中、レース規定を超える10G以上を発生させてしまったのだ。これが「加速度が10Gを超える負荷がかかってはいけない」というルールに違反することになり、ここで室屋選手は失格。この結果、室屋選手は上位4名でタイムを競う最終ステージ「ファイナル4」への進出はならず、全体8位という結果に終わった。

とはいえ、今回の大会で最速タイムを獲得できたのは新型機体導入による効果であったのは確か。前日の予選を1位通過したニコラス・イワノフ選手(フランス)もこの件に関して「室屋選手は新型機材を投入しているだけに侮れない存在」としていたが、タイムでその予想は的中。今後の転戦の中でも室屋選手が“台風の眼”的な存在となるのは間違いなさそうだ。

なお、レースの最終結果は、優勝したイギリスのポール・ボノム選手に続き、2位はオーストラリアのマット・ホール選手、3位がドイツのマティアス・ドルダラー選手が獲得した。エアレースは世界各地を転戦し、第1戦のアブダビ~第2戦の千葉に続き、5月30~31日にクロアチア・ロヴィニで開催。10月17~18日にアメリカ・ラスベガスで開催される最終戦まで全8戦が予定されている。

《会田肇》

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