トヨタ、譲渡制限付き株発行「長期安定的に株を持って頂きたい」

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トヨタ自動車 小平信因 副社長
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トヨタ自動車の小平信因副社長は5月8日に開いた決算会見で、譲渡制限付きの種類株式を発行することについて「中長期の成長に対して投資をして頂ける方に是非、株を持って頂きたいという思いがある」と述べた。

トヨタが発行する新型株は、5年間売却できなくすることで、中長期の保有を狙っている。配当は初年度が発行価格の0.5%とし、その後5年目まで毎年0.5%ずつ上昇し、5年目以降は2.5%になる。5年経過後は普通株に転換したり、トヨタに発行価格で買い取ってもらうことが可能。トヨタ初の量産車『AA型乗用車』をもじり、AA型種類株式と名付けている。

小平副社長は「自動車関連の技術は、今までとかなり局面の違ったところに入りつつある。とくに安全面では高度運転支援といわれるような、他の分野からの新たな技術も入ってきているし、そういう意味では腰を据えて、今まで以上に技術開発をしっかりやらないと、競争力も増えていかない」と指摘。

さらに「数年前を振り返るとトヨタ自動車は4年間、単独は赤字の期間が続いた。この先何が起こるかわからないが、そういう中でも中長期にしっかり技術開発を進めて競争力を強化していく」とも強調した。

その上で「そうした中長期の成長に対して投資をして頂ける方に是非、株主として経営にいろんな意見を言って頂いて、それをも踏まえながらしっかり中長期的な視点に立って経営をしていきたい。機関投資家とひと口に言っても、いろんな考え方の投資家がいる。別に機関投資家がとか、個人投資家がとかいうよりも、むしろ中長期の成長をしっかり一緒に支持をして頂いて、応援して頂ける株主、そういう方に長期安定的に株を持って頂きたいという思いがある」と述べ、新型株の発行を決めた背景を語った。

《小松哲也》

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