富士重工業の吉永泰之社長は5月8日に都内で開いた決算会見で、昨年公表した中期経営計画で掲げていた北米での販売目標60万台が、5年前倒しとなる2015年度に達成するとの見通しを明らかにした。
富士重工の2014年度の北米での販売実績は前年度比19%増の57万台だった。15年度は同5.3%増の60万台を目指す計画。
吉永社長は「4月のアメリカでの販売台数は4万7200台で前年比118%。このうち『アウトバック』は1万2500台販売したが、ディーラー在庫が4400台と10日分しかない。現地のディーラーからは『まったく足りない。車さえあれば間違いなくもっと売れる』といわれている」と述べた。
さらに「(アメリカの)景気が良いから売れているというよりは、もともと底堅いと理解している」との考えを示した。その背景として「アメリカで伸びているのがSUVで、私どもは、もともと商品をSUVに絞っており、そこがうまく当たっているというのがある。それともう一方でスバル自体の安全性能を非常に高く評価して頂いている。それから品薄感がずっと続いているので、人間の心理として欲しくなる。さらに下取りに出しても残存価格が高いので、そういう良い循環になっている」と説明した。
会見では合わせて米国での生産能力増強を4年前倒しで実施する計画も示されたが、吉永社長は「供給オーバーになってくると、それまでの良い循環がいっぺんに変わることがいくらでもあるので、そこは慢心している気持ちはまったくない」と強調した。