宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、米国メリーランド大学の研究者を中心とするチームが超巨大ブラックホールが大量の物質を勢いよく飲み込む際、ブラックホールから外向きに強力な「風」が発生、銀河スケールで発生する物質流出の原因であることを発見したと発表した。
研究チームは、X線天文衛星「すざく」に搭載されたCCDカメラにより取得した分光データを詳細に解析した。巨大ブラックホールのごく近傍から、毎年、太陽1.5個分の質量で、光速の30%にも達する活動銀河核風が吹き出していることがわかった。
また、中心のブラックホール活動と、銀河内の物質の相互作用は、銀河の星形成活動にも影響を及ぼすと見ている。
今回の研究成果は、銀河中心のブラックホールの活動が銀河進化を理解するための鍵となることを示唆しているとしている。
今回の研究成果は、3月26日に出版された英国科学雑誌Natureに掲載されている。