事故の自動通報からドクターヘリ出動へ…千葉県内で訓練

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NPO法人の救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)は3月28日、先進事故自動通報システム(AACN)を活用したドクターヘリコプターの実働訓練を日本医科大学千葉北総病院、佐倉市八街市酒々井町消防組合の協力を得て千葉県内で実施した。

AACNは、衝突方向や衝突前後の車速変化、エアバッグの展開状況などを記録するイベントデータレコーダ(EDR)を搭載した車両が交通事故を起こした際に、EDRデータをもとに傷害アルゴリズムを使って乗員の傷害程度を推定し、消防本部や高度医療機関など関係機関へ通報するシステム。

自動車の衝突事故などで重度な外傷を負った患者に対しては受傷から1時間以内に手術などの根本的な治療を行えれば、救命率が最大になるとされている。このためAACNの活用で事故発生からドクターヘリ出動要請までにかかる時間を短縮することが期待されている。今回、AACNアルゴリズムの結果を千葉北総病院にオンラインで配信するシステムが構築されたことから、実働訓練を実施したもの。

実働訓練では印西市にある千葉北総病院から約10km離れた佐倉市内で単独事故が発生したことを想定して行われた。訓練に参加した千葉北総病院救命緊急センターの本村友一医師によると「AACNを使わない通常の場合、事故発生から通報を得て出動した救急隊が受傷者を診てドクターヘリ出動を要請し、ヘリが現場に到着するまでには27分程度かかる」という位置関係にある。

実際の訓練では事故発生から1分後にAACNを通じて、ちば共同指令センターおよび千葉北総病院にデータを配信。時速59kmで前面衝突し運転手の死亡・重症率88%というアルゴリズムの結果をもとに、その1分後に医師がドクターヘリの出動を決定。事故発生から14分後にドクターヘリが臨時着陸場(ランデブーポイント)に着陸、受傷者をヘリに収容し、事故発生から23分後には離陸した。その4分後にヘリは北総病院に着陸し、受傷者が救命救急室に搬送されたのは事故発生から31分後だった。

HEM-Netの益子邦洋理事は「AACN活用によるドクターヘリシステムの全国実用化を今秋以降に実現させたい。その第一歩となるのが今回の実働訓練」とした上で、「今回の訓練で明らかになった課題を検討し、全国化につなげていきたい」と述べていた。
《小松哲也》

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