「車いすの人もバイクに乗りたい人はいるはず。そんな人のためにバイクを」…。そのような思いで、東京ビッグサイトで開催された「ケアテックス(介護用品・介護施設産業展)2015」に車いす運転型バイクを出展したのは、片山技研(本社・神奈川県座間市)だ。
同社は三輪バイクのトライクを製造している会社で、昨年春に車いすの人でも運転できるバイクを試作した。「横浜から能登半島まで往復1100kmのテスト走行を行い、問題がなかったので、秋から販売を開始しました」と同社関係者は話す。
しかし、発売にこぎ着けるまで陸運局との間でいろいろなやりとりがあったそうだ。なかなか首を縦に降らなかった陸運局に対し、障害者でもバイクに乗る権利を主張し、なんとか認可を受けたという。
ベース車両は2年間の保証をつけてくれた台湾のSYM製125ccスクーターで、車いすごと乗れるように3輪車に改造。しかも、横に健常者が乗れるサイドカーのようなものも設置している。そして、『COALA(コアラ)』と名付けた。「母親のお腹に子どもが入っているイメージです」と同社関係者。
価格は120万円で、すでに4台を納品した。もちろんすべて受注生産の手づくり。そのため、希望に合わせてさまざまな改造も可能だ。ただ、納品までは3カ月程度必要とのことだ。