バークレイズの推定で史上最高に
金融機関のバークレイズの調査によると、オーストラリア国民世帯の負債総額はGDPの130%にも達し、史上最高になっていた。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
オーストラリアの国民世帯の負債は世界最高水準で、同社では、「2008年のような世界金融危機が再び訪れれば今度は前回のように切り抜けることは難しくなる」と警告している。同社のキーラン・デイビーズ主任エコノミストは、民間部門の収入に対する負債の比率は史上最高の206%という数字になっており、世界金融危機(GFC)前の191%を上回っているが、それでもレバレッジでは世界のトップ25%に入る程度。
ところが、モーゲッジ、クレジット・カード、借り越し、個人ローンなど国民世帯の負債という問題になると、オーストラリアは世界一で、他の先進国では返済に努めて負債額を減らしているのに対してオーストラリアだけは負債額が増える傾向にある。
とはいえ、ヨーロッパ諸国と比べるとそれほどトップを独走しているわけでもなく、デンマークはGDPの129%と現実的にはオーストラリアとタイになっている。また、スイスが120%、オランダが115%と続いている。ただし、デイビーズ氏は、「計算基準に世帯の可処分所得を使いたかったが過去のデータが見つからないので代わりに名目GDPを使った。また、世帯の負債に自営業者の負債も含めるため、零細企業への貸付金を用いた」と述べている。
一方、非金融部門企業は、GFCが企業の業績に影響し始めた2008年には負債がGDPの84%に達していたが、2011年には67%と軽減している。1990年代初めの不況以来企業の負債総額が減ったのはこれが初めだったと述べている。(Ratei)
■ソース
Australian households awash with debt: Barclays
http://www.smh.com.au/business/the-economy/australian-households-awash-with-debt-barclays-20150316-1lzyz4.html