国立天文台の加藤恒彦専門研究職員らの研究グループは、スーパーコンピューター「京」を活用したシミュレーションで、超新星残骸衝撃波をはじめとする様々な天体衝撃波で高エネルギーの電子を効率よく生成することができるメカニズムを明らかにした。
加藤研究員、千葉大学大学院理学研究科の松本洋介特任助教、東京大学大学院理学系研究科の天野孝伸助教と星野真弘教授などの研究グループは、超新星残骸衝撃波を始めとする天体衝撃波の波面で磁気リコネクションと呼ばれるプラズマ過程が起きることで、電子が効率的に加速されることを発見した。
衝撃波の構造はこれまでも、プラズマの第一原理シミュレーションを使って研究されているが、波面近くの細かな構造を分解して計算するのは困難だった。
研究グループはスーパーコンピューター「京」が持つ高い計算能力を使って100億個のプラズマ粒子の運動を解明することで、これまで探ることができなかった衝撃波の構造を明らかにすることに成功した。
今回の成果は、2月27日発行の米国の科学雑誌「サイエンス」に掲載された。