2月も後半となり、春めいた暖かい日もあるが、夜や早朝はまだまだ寒い。この寒さが原因で、寝付けなかったり、朝起きれない人も少なくないだろう。
味の素の健康ケア事業本部が、2月に公開したヘルスケアレポートによれば、冬から初春は、睡眠トラブルによって「気分が落ち込む」「人付き合いが減る」「睡眠時間が減る」「体重が増える」ことがあるらしい。
睡眠総合ケアクリニック代々木の理事である大川匡子医師は、同レポートの中で『冬は、寒さで日中カラダが活性化しないため、睡眠圧(睡眠欲求)が高まらない。また、冬は日照時間が短く、体内時計が崩れて不眠に陥りやすい。その結果として、睡眠リズムが崩れて、睡眠の質が悪くなる』とコメントしている。
また、大川医師は『週末に寝だめして、昼まで寝てしまう生活や、ストレス過多による緊張状態、残業や交代勤務などの不規則な生活などにより、徐々に夜間の睡眠に影響を与え、眠りづらいカラダになっていく』と話しており、現代人の生活スタイルは、不眠になりやすいと指摘する。
快眠のポイントは『就寝時の深部体温(カラダ中心の温度)をスムーズに低下させること』だと大川医師は述べており、さらに、レポートの中で「睡眠12箇条」についても触れている。
睡眠12箇条とは、厚生労働省が“健康づくりのための睡眠指針”として、2014年3月に制定したもの。この条文の中には「良い睡眠は、生活習慣病予防につながります」というものがある。
この条文に関して大川医師は『睡眠不足は糖尿病、肥満や高血圧の原因になるなど、睡眠不足による健康への悪影響は大きいものです』と話しており、良質な睡眠の大切さと、不眠が引き起こすトラブルの怖さを、レポートの中で伝えている。
なお、睡眠12箇条の内容や各条文の解説は、厚生労働省のサイトでチェックできる。