ホンダは2月23日に伊東孝紳社長(61)が退任し、後任に八郷隆弘常務執行役員(55)が昇格するトップ人事を内定したと発表した。6月に開く株主総会後の取締役会で正式決定する。
2009年に就任した伊東社長は海外の工場拡充を着実に進める一方、国内では軽自動車の強化によるシェア拡大を実現した。また、15年にはジェット機事業の顧客引き渡しや、F1への再参戦も実現する運びになっている。一方で在任中は、東日本大震災などの自然災害、12年末までの超円高、さらにハイブリッド車やタカタ製エアバッグによる大量のリコール問題など、多くの苦境にも直面した。株主総会後は取締役相談役に就く。
八郷 隆弘氏(はちごう・たかひろ) 1982年にホンダ入社。米国の研究開発子会社副社長などを経て06年本田技術研究所執行役員、07年同社常務執行役員、14年からホンダ常務執行役員。神奈川県出身。