通貨リンギは1月28日に続き29日も対米ドル相場で下落した。月を通しての動きではアジア通貨のうち最大の下げ幅になった。原油価格の下落が背景にある。
米国の原油在庫が高水準に達したとの報を受け、ブレント原油価格は29日、2009年4月以来の低水準になった。
豪系マッコーリー銀行のシンガポール駐在ストラテジスト、ニザム・イドリス氏は「原油がさらに値下がりするとの懸念からリンギが売られた。各国中央銀行には金融緩和圧力が増しており、マレーシアは通貨安という方法で緩和していると考えられる」と述べた。
マレーシア中央銀行バンク・ネガラは同日の金融政策会合で、政策金利の維持を決定していた。
リンギ値下がり要因にはシンガポール中銀の金融緩和もあり、オランダ系INGグループは年末の相場予想を1米ドル=3.68リンギから3.78リンギに修正した。
(マレー・メイル電子版、1月29日)