東京オートサロン2015のBRIDE(ブリッド)ブースは、同社が扱うあらゆるシートが並べられ、来場者はどれも座って試すことができる。他にも、新製品として販売が決まっている開発中のレース専用のフルバケットシート『PROFACE』、新しい素材を使った物や旧車向けのバケットシートなど試作品・コンセプトモデルも出品された。
まず圧巻なのはブースの半分以上のスペースを割いたバケットシート製品のラインナップ展示ゾーンだ。昨年は別ブースで展示していた『edirb』ブランドも今年はBRIDEのブースに合流し、総勢で37基のシートが並んでいる。どのシートも自由に座ることができ、実際のポジションや形状を確かめることができる。
チューニングショップや量販店でも、バケットシートの展示はそう多くはない。カタログでよさそうなものを見つけても、実際に試せないこともある。背もたれの形状、クッションの硬さや高さ、シート生地の感触、サイドのホールド性など微妙な違いを比べたい、どのシートがいいのかわからない、といった悩みはこのブースで解決だ。
新製品のPROFACEは、他のシートと同様に並んで展示されている。ブリッド 営業推進部 販売促進課 岩橋祐氏によれば「3月までには販売開始できるのでは」とのことだ。正式な発売日が決まっていない製品なので、いまのところ試すならオートサロンのブースしかない。ちなみにPROFACEは、ベースとなる形状は『GARDIS III』とほぼ同じだが、さまざまなタイプのHANS(Head and Neck Support:ドライバーの首を保護するための安全具)に対応するため、ヘッドサイドの形状を改良し、背もたれのベルト用の穴も広がっている。
開発中や試作品、コンセプトモデルのコーナーには、PROFACEの他、3種類の展示だ。ひとつは、プロテインレザーを使ったハイバックのセミバケットシートのカラーモデル。革のようななめらかな素材で通気性に優れ蒸れにくいプロテインレザーのシートはすでに販売されているが、色が黒のみだった。今回はタン(褐色)、白の生地が追加された。展示品はその3色でデザインされていた。
次は、旧車や一部の欧州車向けに試作されたヘッドレスト部分がないバケットシート。カート用のバケットシートのように背もたれ部分が肩の下あたりでカットされたような形状で、車検を通すことはできないが、フィアット、ミニなど古い欧州車、旧車などでニーズがあるのではないかと試作した(岩橋氏)という。
最後は、豊田紡織とのコラボレーションによって実現したバケットシートだ。素材に合成皮革とウルトラスウェードが使われている。
なお、バケットシートというとスポーツカーやセダンというイメージがあるが、セミバケットタイプで素材や形状によっては長距離ドライブでも疲れないということで、トヨタ『ハイエース』などにプロテインレザーのセミバケットシートに肘掛けを増設したモデルも人気(岩橋氏)なのだそうだ。