【トヨタ エスクァイア 試乗】ハイブリッドで2トーン内装、本革風が“らしい”選び方…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ エスクァイア(ハイブリッド)
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これまで『ヴォクシー』&『ノア』を持たなかったトヨタ/トヨペット店専売のMクラスボックス型ミニバンが『エスクァイア』。エアログレードがなく5ナンバー車のみの展開とはいえ、その顔つきはクラウンマジェスタに匹敵する迫力の持ち主だ(リヤビューはけっこうフツー)。

プラットフォーム、パッケージング、エンジン、ミッションなどはすべてヴォクシー&ノアと共通。しかしデザインで差別化を計っているのが特徴で、中でも特筆すべきはインテリアと言っていい。

基本デザインはヴォクシー&ノアそのものだが、ステッチの入る合成皮革張りのソフトパッドが随所に奢られ(助手席前のオープントレー部分に注目)、ピアノブラックの加飾パネルなどとともに高級感、上級感を演出。誰が見ても、乗ってもヴォクシー&ノアより車格感は上に感じるだろう。特にバーガンディ&ブラックの2トーンの内装色、本革風の合成皮革シートが奢られたダークカラーのエスクァイアは、VIPカーとしても通用しそうである。

ただし、合成皮革シートはアレンジありきで平板なシート形状になる3列目席だと腰や背中がツルツル滑りやすく、着座の落ち着き感に欠けるのが難点。もし3列目席に誰かを座らせ長時間、長距離走行する機会が多いというなら、高級感やデザイン性はあきらめてファブリックシートを選ぶべきだろう(1/2列目席であれば気にならない)。

エスクァイアの走行性能は、当たり前だがヴォクシー&ノアと変わるところはない。

が、エスクァイアの場合、強くお薦めしたいのはハイブリッドのほうである。乗降性抜群の低くフラットなフロアが荒れた路面でブルブル震えるヴォクシー&ノアのウイークポイントが、ガソリン車よりハイブリッド車のほうが、ほんの少しとはいえ気になりにくく、顔つきやインテリアによりふさわしい上級感ある乗り心地が得られるからだ。なぜそうなのかと言えば、モーターによるバネ上制振制御機構を組み合わせ、不快な振動を軽減する機能を持つからだ。

それにしても、7人乗りの2列目席を中寄せしロングスライドすることで独立4座サルーンに変身させられる広大な後席居住空間の贅沢さは、それこそ『クラウンマジェスタ』をも圧倒する(乗り心地は別として)。足元にクッションを敷き、大型犬2頭をくつろがせることだってできるのだ。

価格はガソリン、ハイブリッドともにヴォクシー&ノア同グレード比15万円高。内外装の仕立てや細かい装備違いを考えると、決して高くはない。どころか、顔さえ気に入れば、けっこうお買い得かもしれない。

個人的には、なかなかの燃費性能を誇る2リットルのガソリン車と、『プリウスα』と同じシステムを持つ1.8リットルのハイブリッドとの燃費差が20%程度だと知りつつも、ハイブリッド、7人乗りのバーガンディ&ブラックの2トーン内装色、本革風の合成皮革シート装着車がもっともエスクァイアらしい仕様と思える。

ちなみにヴォクシー&ノア同様、ドッグフレンドリー度は抜群である。犬はスライドドア、バックドアの両方から快適に乗車することができ、多彩なシートアレンジによって居場所も自在。トヨタ純正のドッグアクセサリーが豊富に揃っている点も愛犬家なら嬉しいはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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