12月12日、オートアフターマーケット活性化連合(AAAL)スポーティングパーツ分科会主催のスポーティングパーツ勉強会が開かれた。出席者らは、自動車用アフターパーツの市場活性化のために、マーケットのトレンドや新製品の紹介、商品の売り方など意見交換を行った。
消費税アップや若者の車離れ、国産スポーツカーの相次ぐ生産中止など、ここ数年アフターパーツ業界は厳しい状況に置かれてきた。しかし、トヨタ『86』やダイハツ『コペン』など、自動車メーカーからはチューニングベースとなるクルマの販売が開始され明るい兆しもある。
勉強会に参加したのは、自動車用品小売協会(APARA)と日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)に加盟する企業だ。今回はさらに日本自動車マフラー協会(JASMA)に加盟する企業も加わった。世界三大チューニングカーショーの1つに数えられる「東京オートサロン2015」が年明けに控える時期ということもあり、アフターパーツを「作る側」と「売る側」双方が積極的に意見を交わした。
各メーカーの担当者からは、86のほかにもスズキ『スイフト スポーツ』などのスポーツモデルやマツダ、スバルなど走りを売りにするメーカーのクルマの人気が依然として高く、『ヴェルファイア』などのミニバン系、ホンダの軽自動車「Nシリーズ」や『プリウス』などの販売台数が多い車種はドレスアップの需要が多いという声が聞かれた。
一方、スポーツシートを製造するブリッドの江坂卓也氏(営業促進部)からは「スポーツシートだけでなく、疲れの少ないシートへの要望が増えてきている。特に『プロボックス』や『ハイエース』などの商用車は走行距離も多く、近年需要が高まってきている」との意見が出た。
自動車部品・用品の卸業者であるタカマコンペティションプロダクトの石田賢治氏(営業部)は「以前のチューニングといえばパフォーマンスアップが目的だった。現在はドレスアップや快適性の向上も広義でのチューニングに含まれ、ドライバーのニーズに変化が見られる。もう少し”こうだったら”というニーズがドライバーの数だけ存在し、不満があるもののほとんどはチューニングで解決できる」と述べた。
JASMAに加盟するHKSからはアフターマフラーの現状について説明が行われた。マフラーといえば、性能だけでなく見た目や音など、装着と同時に効果を体感できるパーツとして人気が高い。HKS 長谷川剛氏(自動車開発部5課)は「アフターマフラーは趣味性の高いもので各メーカーからは特徴のある商品が様々出ている。アフターパーツとして取り付けられたマフラーには、音量が保安基準に適合ないといったクレームも発生しているが、多くの場合測定に問題がある。正しい測定方法の認知が必要」と指摘した。