トヨタ豊田社長「応援団づくりでトヨタを支えてもらえるように」

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トヨタ代表取締役社長 豊田章男氏
  • トヨタ代表取締役社長 豊田章男氏
  • トヨタ代表取締役社長豊田章男氏と米国セールスフォース・ドットコムChairman&CEOマークベニオフ氏
  • 12月4日、ザ・プリンスパークタワー東京にてクラウドコンピューティングイベント「Salesforce World Tour Tokyo」が開催
  • トヨタ代表取締役社長豊田章男氏と米国セールスフォース・ドットコムChairman&CEOマークベニオフ氏
  • トヨタ代表取締役社長 豊田章男氏
  • 「Salesforce World Tour Tokyo」会場の様子
  • トヨタ代表取締役社長豊田章男氏と米国セールスフォース・ドットコムChairman&CEOマークベニオフ氏
  • 「Salesforce World Tour Tokyo」会場の様子

12月4日、ザ・プリンスパークタワー東京にてクラウドコンピューティングイベント「Salesforce World Tour Tokyo」が開催された。

イベントにおいて、トヨタ自動車の豊田章男社長と、米国セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEOが対談した。

◆初対面で水着を用意

豊田社長は冒頭、ハワイで初めてベニオフCEOと出逢った際の、エピソードを披露。「あちらはベンチャー企業でしょう。バカにされちゃいけない、最初が肝心だ、と思ったんですよ。典型的なジャパニーズビジネスマンはスーツを着用して、何人もの部下を引き連れてくるけれど私は空港について即部下に聞いたんです。水着を持っているか、と。私は水着を着て会いに伺いました」と笑う。

次にベニオフCEOは、いかにして豊田社長が数々の困難を乗り越えてきたかを質問。

豊田社長は「社長になって5年が経ち、次から次へと試練があった。そういった局面で私はいかに多くの人に支えられているかを改めて知ることができた。また、もっと色んな人に支えてもらえる会社にならないといけないとも感じた。そうでないと、大きいから安心できるわけではなく、ちょっと間違えるだけでこの先が難しくなると思っている」と語る。

「だから、自分自身の役割として、いまは応援団づくりというのをやってきた。
普通ステークホルダーというと株主をイメージされるかもしれないけれど、トヨタでは株主のみならず従業員、お客さま、地域社会、販売など多岐にわたるステークホルダーに支えられていると考え、とくに30年40年と継続されている企業文化活動や社会貢献活動を通じて、みなさんに支えられていることを還元しようとしてきた。」とトヨタを支えるステークホルダーの捉え方について言及した。

◆認識を変えて企業文化活動アピールするように

「こういった企業文化活動や社会貢献活動は長年、自分から話すべきではないと認識されてきたけれど、トヨタが頑張ることはみんなにとっていいということを分かってほしい。だからトヨタは応援されるんだ、ということを理解されたくて一生懸命やってまいりました」と述べる。

また、SNSを使い海外の友人と繋がっていることもトヨタの応援団づくりの一助となっていると語る。

「自分には24時間しかありません。今もこの場所にいる私しか、リアルには存在しない。1年に1回しか会えないような、またアメリカやヨーロッパなど世界中各地にいる友人ともつなぎ合えることで、トヨタの、もう一つの応援団づくりになっているのかもしれない。SNSによって24時間しかない私の時間が何層にもなる」。

最後に、豊田社長が自分の試練を乗り越えられた理由を、“車が大好きだったこと”と話した。

「先日、ある方が名誉会長である父(豊田章一郎)に質問したんです。息子さんが今でもレースでハンドルを握っていることについてどう思うか、と。すると名誉会長は、どうせ何を言っても聞く耳を持たないから言うのをやめたが、彼は自分一人の体の自覚が足りなさすぎる、と答えたんです。でも自分は世界に33万人の従業員がいる会社のバトンをタッチされて、今自分ができることは何なのかを考えた結果、自分の行動をもって、自分自身がハンドルをもってする(運転の楽しさ、車の素晴らしさを伝える)こと以外には考えられなかった。これが正解かはわからないけれど」。

豊田社長は、ベニオフCEOの人格への敬意を表し、人間の魅力の出し方を教わったことに感謝する旨述べ、対談を終えた。

《北原 梨津子》

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