マレー権利団体が過激要求、UMNO総会見据え「民族語学校廃止」など

リベラル&多民族主義とイスラム原理主義の両方からの突き上げが厳しさを増す中で、25日に開幕する「マレー人の団結」をスローガンに掲げた与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)の年次総会に注目が集っている。

エマージング・マーケット 東南アジア

リベラル&多民族主義とイスラム原理主義の両方からの突き上げが厳しさを増す中で、25日に開幕する「マレー人の団結」をスローガンに掲げた与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)の年次総会に注目が集っている。

UMNO総会に先駆けて、支持団体であるマレー人の権利団体、ペルカサは23日、「国民団結会議」を開催し、マレー・イスラムの権益を担保するよう改めて要求した。

国民統合の妨げになっているとの理由から華語学校やタミル語学校といった民族語学校を廃止すべきとの主張を改めて繰り返したほか、ナジブ・ラザク首相の肝煎りの国家和合協議委員会(NUCC)についても、リベラルが占めることを理由に廃止を求めた。

民族語学校の問題については、UMNO党首脳は華人及びタミル人有権者への配慮からナジブ・ラザク総裁(首相)ら政府トップが「存続させる方針は変わらない」と繰り返してきた。与党連合・国民戦線(BN)で共闘するマレーシア華人協会(MCA)やマレーシア・インド人会議(MIC)は民族語学校の維持に向けUMNOに圧力をかけている。

ペルカサはこのほか、人口に占める割合の高いブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)を国民団結の核となるグループとして認知すべきとの主張を展開。高等教育向けの国家高等教育基金(PTPTN)についても、学費ローン支給対象をブミプトラに限定すべきと主張している。

なお「国民団結会議」では、ペルカサの後ろ盾であるマハティール・モハマド元首相のスピーチが直前になってキャンセルされた。ナジブ政権への厳しい叱責の声を期待した向きははぐらかされる格好となった。

伊藤 祐介

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